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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#73 2人を繋げるRunaway (1/4)
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追われる比路

雨、雨、雨、曇りと続いた梅雨空の天気。
でも今日は束の間のように晴れて、久しぶりに太陽の姿が見れた。
そんな日の放課後ー・・・。

「こるぁあああ!待てぇぇぇ!!峰岸 比路ーッ!!」

「もー、しつこい!」

今は部活時間だと言うのにも関わらず、恭に追われ逃げる比路。
青ノ葉の道場から走って走って逃げた方向は、偶然にも家庭科室があった。
なのでここで匿ってもらおうと、勢いよく中に入って、ご登場。

「明人兄、ごめん!ちょっと匿って!」

「わ!?いらっしゃい比路くん。」

「え?なになに!?何事?ヒロすけ。」

すると家庭科室内には、もちろん明人がいたけど、もう1人。今日も遊びに来ていた司も明人と一緒にいた。
そんな突然の比路訪問に、2人ともビックリした顔を見せる。



逃げ込んだ先

家庭科室は家庭科部の活動場所だから、明人がいるのは分かってた。
でも司までここにいるとは今まで知らなかったのか。

「あれ?なんで司もここに?」

と、司を見て首を傾げる。
だが、そんな時間も一瞬。
遠くから聞こえてきた恭の声に、ハッと自分の状況を思い出す。

「って、それどころじゃない。司、明人兄!恭がここに来ても、ここに僕は来てないってことにして!」

そしてこの身を隠そうと。
キョロキョロ見渡して、たまたま目に入った家庭科室の掃除のロッカーを開けて、中へと入っていった。

「あー・・・。またキョウに追っ掛け回されてたのか。」

「大変だね、比路くんも。」



追われる犬飼

同時刻。
誰かに追われて逃げてる生徒は、もう1人。

「こら!待て!犬飼!!」

「ち・・・ッ。どこまでも追っ掛けて来んな!しつけえな!」

今は部活時間だけとあまり関係性はなく、久野に追われ逃げる犬飼。
また何かをやらかしたのか、走って走って逃げた方向は、偶然にも家庭科室があった。
なのでここで匿ってもらおうと、勢いよく中に入って、ご登場。

「鈴木先パイ!ちょいオレを匿って!」

「わ!?犬飼くんまでいらっしゃい!?」

「わぁ〜い。サエ先輩、今日も来てくれた。」

すると家庭科室内には、もちろん明人がいたけど、もう1人。今日も遊びに来ていた司も明人と一緒にいた。
そんな突然の犬飼訪問に、1人はビックリ、1人は喜んだ顔を見せる。



逃げ込んだ先 2

家庭科室は家庭科部の活動場所だから、明人がいるのは分かってた。
でもやっぱり司もいて、ちょっと苦笑する犬飼。

「あ?なんだ?また鈴木先パイのとこに来てたのか司。」

「へへーっ。」

だが、そんな時間も一瞬。
遠くから聞こえてきた久野の声に、ハッと自分の状況を思い出す。

「って、それどころじゃねえ。司、鈴木先パイ!久野の奴がここに来ても、オレはここにいないってことにしてくれ!」

「あ。」

「サエ先輩、待って!そこはー・・・!」

そしてこの身を隠そうと。
2人が止める声を聞かずして、たまたま目に入った家庭科室の掃除のロッカーを開けて、中へと入っていく。

「「・・・・・・・・・・・・。」」

そしてそしてそのロッカー内でバッタリと再会した比路と犬飼。
2人とも、こんな形でこんな場所で再び会うとは思わなかったのか。
お互いに相手を見た途端、その一瞬は何も言葉が出せなかった。



繋がる司の名前


「なッ!?なんでお前がここに!」

「それはこっちの台詞!なんでアンタまで入ってきてー・・・、最悪なんだけど。」

「最悪ってなんだお前!年下のくせして年上に向かって!」

案の定で、瞬く間にロッカー内がギャーギャーと騒がしくなる。
けど犬飼は比路の姿を見て、あることを思い出す。

「あー・・・司って。あぁぁぁ〜・・・、なるほど。お前から聞いた名前だったのか。」

それはどっかで聞いたことあった司の名前。
学寮戦で比路と遭遇した時、何度も彼の名を言ってたことを思い出し、ようやくここで司と比路が犬飼の中で繋がったのだった。

「え、何?司がどうかしたの?」

「なんでもねえよ。」

「っていうか、なんで司がアンタなんかと。いつの間に知り合って・・・。」

「いつだっていいだろ。お前には関係ない話だ。」



180度も変わる態度

それにしてもこんな掃除ロッカーの中で、男2人でいるのは結構どころか、かなり窮屈な話だ。

「それよりなんで入る前に僕がいたこと気が付かなかったの?バカなの?ちゃんとよく見てよ?」

「うるせーな。オレよりも先にバカがいるとは思わなかったんだから、仕方ねえだろ。こっちだって急いでたし。」

「とにかく早く出てって。暑いし狭いし、アンタなんかと一緒にいるだけで、こっちは最悪なんだから。」

「だから最悪言うな。そんなのお前に言われなくたって分かってるっつーの。今直ぐ出てってやるよ、こんな場所。」

比路も犬飼も、それはお互いに百も承知。
いつまでも一緒にいたくない気持ちだって、当然のように一致する。
けどロッカーの外から恭の声が聞こえた途端、状況は変化。

「!」

出て行こうとした犬飼の体に、いきなりガシッと両手で抱き付いてまで、比路は犬飼を阻止したのだった。

「お、おい。これは何の真似だ?」

「やっぱ・・・、ちょっと待って。」

「はぁ?離せよ。オレに抱きついてくるな。さっき出てけ言ったのそっちだろ?」

「・・・最悪言ったこと謝るから。お願いだから今、出てくのだけは、本当にちょっと待って。」

ついさっきまで言ってたことを、カッコ悪く180度も、ひっくり返してまで。



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