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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#72 矢口episodesEX (2/3)
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犬飼と矢口のツーショット並び

そして矢口と犬飼の2人の話が済めば、本来の用件へ。

「おい、羽崎ィ!」

「え!?」

犬飼がC組の教室にいる空を呼んだ途端、賑やかだった室内が一気に静まる。
だって犬飼方向を見たら、犬飼は矢口と一緒にいたから。
その不良2人のツーショットの並びを見ただけで、一部の生徒はゾッと顔を青くした。

「だ、駄目だ、空!アイツらのとこ行っちゃ!」

もしかしたら空は、これから2人にボコられるんじゃないか。
空と一緒にいた鳴までもこの発想に青ざめて、思わず止めに入る。

「でも僕、2人にボコられる理由なんてないよ?」

「それでも行っちゃ駄目だ!空だって大会控えてるわけだし、腹いせで怪我なんてさせられたらー・・・「うるせぇ!渡辺には関係ねえから黙ってろ!!」

「ひッ!」

空も空で、鳴が犬飼に怒鳴られたおかげで、少し表情を固めてしまう。



押させる背中

でも、

「純平が羽崎に用あんだってさ。オレも関係ねえから、さっさと来いよ。」

「純平が?あ、ちょっと待ってて。」

呼び出された用をもう少し詳しく聞いた空は、ハッとして席を立つ。

「空〜・・・。」

「大丈夫、大丈夫。純平だけなら、なんとなく呼ばれる用分かるから。」

不安がる鳴も宥めて、急いで2人の元へ。
そして空がやってくる前に犬飼は矢口に。

「んじゃ、純平。あとは・・・、頑張れよ。」

「!」

トンっと背中を軽く叩いて、自分は先にこの場から去った。



犬飼が去る背中見て

犬飼がいなくなった。
ただそれだけのおかげで、C組の教室も少しずつ賑やかさが戻っていく。

「あ、あれ?純平、犬飼くんはいいの?」

「ああ。羽崎を呼び出すだけで、なんか悪いことしたな。」

「ううん。こっちこそなんかごめん。・・・犬飼くんにも気、悪くさせちゃったよね。あとで謝れるかな。」

「冴は、まあ・・・なんて言うか・・・。」

そんな犬飼の背を眺めながら話す矢口と空。

「羽崎みたいな奴がバスケ部にいたら、冴もこうはならなかったのかもな・・・。」

「・・・・・・・・・。」

彼の事情を知ってる1人と、彼の事情をあまり知らない1人。
でも彼を見る目は2人とも、どこか寂しそうだった。



矢口の用事


「で、純平。僕に用って何?」

そしてようやく本来の用件に。
呼ばれた用はだいたい予想ついているようだが、それでも言ってくれないと分からないから、改めて問いただす。

「あー・・・、その。今年から顧問の櫻井って、誰?」

「!」

それは以前、空から矢口へ伝えていたこと。
あの時は人の話を聞いてるのか聞いてないのか、よく分からなかったけど、その名が矢口から出たってことは、ちゃんと聞いていた証。

「2Bの担任。体育の先生だけど、分かる?」

「・・・・・・・・・。」

「記録。測りに行くでいいんだよね?」

「あ・・・、まあ・・・。」

だから察した空は、やっぱりと気付くことが出来た。
今まで幽霊だった矢口が帰ってこようとしてることに。

「羽崎に面倒かけることになるけど・・・、頼めるか?」

「うん、全然いいよ。放課後になったら一緒に先生のとこに行こう?」



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