犬飼が率いる犬飼軍団と呼ばれていた不良グループは、朋也との悶着騒動後、解散となった。 だが矢口自身、犬飼たちとは戯れていなかったから、その解散の中で何が行われていたかは知らない。
「オレ・・・、言ったよな?もし戻る気でいるなら、純平も他の奴らと一緒だからって。そのつもりでいろって。」
「・・・ああ。」
あの騒動後、おまけのように桃地がいるだけで、基本は犬飼1人だけ。 ひっそりと静かでおとなしくしているが、その内情までは、流石の矢口でも分からない。 だから犬飼が言ってきた言葉に驚きが隠せなかった。
「ま・・・、戻れるのなら戻った方がいい。それで坂恨んだり、どうこうするほど、そこまでオレは落ちぶれてなんかいない。いいんじゃない?別に。純平がそうしたければ。」
「ー・・・ぐっ!?」
けどそれは矢口の隙を突く為だったのか。 近寄ってきた犬飼に突然、胸に拳をドンッと入れられる。
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