放課後。 まだ気になることがあって、矢口は家庭科室へ。
「いらっしゃー・・・!?いらっしゃい、矢口くん。もうここには暫く来ないと思ってたからビックリした。」
「あ・・・、今日は話があって。」
「その前に怪我すごいけど大丈夫?痛そう・・・。」
「・・・いちお。これぐらい慣れてるから。」
「でも今日は先客がこれからー・・・。」
室内にいたのは、明人1人だけ。 司も司以外の生徒も、まだここには来てないようだ。 それはそれで矢口にとって都合がよくて、いつものように麦茶をご馳走になる前に用件を話した。
「なんで、前、ここ来たときに・・・。」
「ん?」
「・・・・・・、なんで前ここに来たとき。鈴木先輩、俺に真央のこと尋ねたんですか?」
「・・・・・・・・・。」
それはほんのちょっと前のことだけど、明人は矢口に黒崎のことを訊いてきた。 アレは一体なんだったのか。 あの時は気にならなかったけど、今は気になって仕方がない。 彼は黒崎のこと。 あの時点で、何か知っていたのではないか・・・と。
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