それから開かせた口で続いたのは、お説教。 口調は彼らしく優しいけれど、とても怒っていた。
「駄目ですよ、矢口くん。学校抜け出してまで、授業をサボったりなんかして・・・。おかげで矢口くんの行方が分からなくなって心配した人、とても多くいたんですよ。」
「・・・・・・・・・。」
おかげで何も言い返せない矢口。 犬飼たちも不良グループが決めた『一部の教員には逆らうな』のルールに、チロ先生の名も刻まれているから反論が出来なかった。 彼まで敵と決めつけた時期もあったが、それでもチロ先生は、つけ離さずにいてくれたから。 こんな馬鹿なことしても・・・。
「矢口くんも、大事な生徒であることには変わりありませんから。やんちゃで元気なのはいいことなんですけど、あまり心配させないで下さいね。」
「・・・ごめんなさい。」
「あと矢口くんが青ノ葉に帰ってきたのは、門限後なので。蓮く・・・、日暮寮長に会ったら拳骨は覚悟していて下さいね。届け出も矢口くん出してなかったから、とても心配してましたので。」
「・・・・・・・・・。」
だから今はおとなしく叱られた。
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