けど後ろから来ていたもう1人の合羽男に気付かず、首の後ろを手刀でトンッと叩かれた。 そのせいでボロボロになった身は、意識を保つことが出来なくなる。 でも矢口は、この合羽男が誰と繋がっているのか、失っていく意識の中でギリギリ分かってしまう。
「ねんのため、まちのほうまでパトロールしててよかった。」
この特徴がありすぎて、聞き覚えがある声の持ち主を。
「まおくんと、ともやくんたちからも、おはなしきいてたから。あぶないとこだったけど、おかげでたすかっちゃった。ー・・・や、ありがとう。」
「かなりギリギリだったけど、間に合って良かった・・・。」
「うん。だってボク、やくそくしてるから。もうケンカしないって。じゅんぺいくんとも。」
数人現れた合羽男の間で仲良く話してる、青ノ葉学園の生徒会会長、永瀬を。 雷が鳴った強い光によって、彼までも合羽姿でハッキリ見えたから。
「だから、やぶらせないよ。ボクが、みえてるはんいでは。」
「そうですね、会長。」
でもそこでギリギリだった意識も途絶え、この記憶は正しかったのか分からなかった。
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