「でも寮以外で人が作ったカレーを食べるの、久しぶりだったな・・・。」
「寮生じゃ、そうなっちゃうよね。」
そして話をちょっと戻して、改めて。 偶然だったけどカレーをご馳走してくれたお礼を言う。 昼飯食わずに、ずっと寝て過ごしてたから、空きっ腹に入るご飯が、凄く有り難かった。 本当に美味しくて、久しぶりだったから。
「いや。実家でもあんまり食った記憶ないから。」
「おうちカレーって月に1回以上は、絶対レベルで家で食べない?」
「・・・・・・・・・。」
これもさっきのに関わってる話。 自分の話を語るのは躊躇いがあって勇気がいたけど、少しだけ話せた。
「俺・・・、家族に見放されてるから。金は渡されるが、家でご飯は、もう何年も食べてない。」
「えっ!?」
「さっき俺んち医療関係やってるって言ったろ。俺よりも弟のが優れてて容量も良くて、後継ぎを弟に決めてからは両親共、弟の英才教育で手ぇ一杯。」
今は黒崎と一緒にいるおかげもあって。
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