「えっ。」
「あ・・・。」
その『つい』をハッと気付いた時には、もう遅く。 夢とは違い、現実は1回でも言葉を口にしたら、取り返しが付けられない。 だから黒崎のこのあとに続く答えに、純平はまたドキドキと胸を高鳴らせた。
「構うって?」
「あ。いや。なんでもー・・・、なんでもないから聞き流してくれ。」
いくらなんでも夢と同じ展開になるわけない。 正夢になったとしても、自分はそのあとどうしたらいい? すると黒崎は、
「んー。純平君、嫌がるかもしれないけど、僕は楽しいからかな。」
と。
「最初は怖い人だって思ってたけど、お話していくうちに純平君が良い人だって分かってきて。うん、あの時が楽しかったから行く先行く先、声掛けてたのかも。」
聞き流さずに、そう答えてくれた。
「でもどれも会おうとした時以外は偶然かな。今日だって読書スペースに珍しく青ノ葉生いるなって覗いたら、それが純平君でビックリだったし。」
|