矢口を見かけて後をつけた司は、そのまま図書室に入ったものの。矢口は黒崎と一緒にいて、話し掛けるタイミングが上手く掴めずに伺っていた。 そこで聞いてしまった今の2人の会話に何かあったのか。 まるで逃げるように図書室から去って、ちょっと距離をおいたところでようやく足を止めて、
「・・・・・・・・・。」
そこで廊下の隅で立ち尽くして、自分を抱えていた。 本当に一体、司の身に何があったというのか。 そんな彼に気付いた生徒が1人。
「大丈夫か?司。」
「ー・・・サエ、先輩?」
たまたま近くを通りかかった犬飼が司の元にやって来て、心配そうに伺ってくる。
「具合でも悪くしたのか?保健室ー・・・は、ちょいここから遠いけど、アレな場合ちゃんと行った方がいいぞ。・・・オレは付き添ってやれること出来ないけど。最悪マズイ場合、小太郎呼んで連れて行かせるからさ。」
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