翌朝。 今日も雨が1日続く日となる、校舎の昇降口にて。
「おはよう、純平君。」
「!?」
矢口を見つけた黒崎が、パアッと明るい顔をして、こっちにやって来る。 時間からして他の生徒は、ほとんど教室へ向かった後なので、お互いにお互いを見つけるのが早かった。
「純平君って、いっつもこの時間で校舎に来てるの?前の服装検査の時も遅かったけど、いくらなんでも遅すぎない?遅刻はダメだよ。」
「え。」
「もう少し早く来てよ・・・。あともうちょっと遅かったら、僕、待ちくたびれて教室に行っちゃうところだったから。」
「・・・・・・・・・。」
そして色々と文句を言って来たが、ちょっと待ってくれ。 こっちは「待っててほしい」とか、そんな約束してないどころか、そんな話すらしてない。 なんなら今日もこの場で会うのが初めましてで、おはようございますだ。 一方的に勝手に待たれていたことを、何故こんなに文句言われなきゃいかんのか。 文句を色々言う前に、ちょっと待ってくれ。
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