翌日の昼休み。 図書室で黒崎と会った矢口は、渡された本を。率直な感想と共に返す。
「面白かった。」
「ホントに!?」
けどそれは昨日、言おうとしていたこととは全く違うこと。 始めは暇を潰す為だったのに、主人公があのことを親友に打ち明けたとことか、その後の展開とか。先が気になってどんどん読み進め、気付いたら朝。 悔しいが、睡眠時間潰してまで読破するとは思わなかった。
「さすが『図書室の本を全て読みきった変態』が勧めてきた本なだけあったな。」
「その言い方やめてほしいな。全然褒められてる気がしないし・・・。」
おかげで午前の授業をサボって、寝不足解消する羽目に合ったのだから。
「でもびっくりした。昨日貸した本を昨日のうちに全部読み切っちゃうなんて。」
「面白かったからな。」
「よかった、純平君にオススメしてみて。あ、こっちの本も僕のオススメなんだけど、よかったらー・・・。」
「だから安易に図書室の本を又貸ししようとすんなって。」
|