「ごめんなさい。ボクのせいで稚空くんの片付けまで遅れさせちゃって。」
自分たちの部屋、416号室にいる稚空と梅ちゃん。 やっと二人揃ったことにより、昨日出来なかった荷物の片付けを進めていた。
「え?」
「先に片しちゃって全然良かったですよ。タイミング悪く体調を崩したボクのことなんて気に構わずに・・・。」
梅ちゃんは自分のせいで、稚空の分まで遅れさせたことを気にしていたようだ。 昨日の朝の時点で、自分が休まないといけないことは確定していた。 だからせめて自分と同室になる子に迷惑だけはかけないよう『先に片付けていい』と電話を通して、保健医の先生に伝えておいたのだと話す。
「うん。昨日チロ先生に尋ねたとき、梅ちゃんが今話してくれた通りと同じことを言われたよ。」
その話で昨日のことを思い出す稚空。
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