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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#67  雨が降った日の放課後(1/3)
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放課後に集う3人と1人

放課後の家庭科室にて。
司が遊びにやって来て、それに続くよう犬飼と桃地も訪れて屯う3人。
そんな彼らに今日も冷たい麦茶を振る舞い、いつものように演劇部の衣装を手直す明人。
なんだかんだ司と犬飼の気が合っちゃったようで、その様子を静かに見守る。

「はい!それじゃあここで、10回クイズです。」

(なんか始まった・・・。)

すると今日は遊び道具を持ってきていなかったのか。
退屈凌ぎに司がドドンと、先輩2人にクイズを提供してきた。

「サエ先輩もコタ先輩も、俺がお題出すから答えてね。」

「10回クイズ・・・?」

「懐かしいっすね。自分も昔、よくやったっす。」



10回クイズ はじまりはじまり

10回クイズとは、指定されたフレーズや単語とか名前とかを10回言って言い終わった後にクイズを出して答えるというゲームのこと。
それを聞いて首を傾げる犬飼と、懐かしがる桃地。それぞれで違う反応を見せる。

「あれ?サエ先輩、知らない?ピザを10回言ってー・・・ってヤツ。」

「1番有名なヤツっすね、それ。」

「あぁー、それか。それ言ってくれたら知ってるし、分かるに決まってるだろ。あれだろ?ピザを10回言ったあと膝指して、肘って答えたら負けってヤツ。」

「ん?ちょっと違う。ピザって10回言ったあと肘を指して、膝って答えちゃったら負けなの。」

「・・・・・・・・・。」

けれど1番有名なお題を上げたら、犬飼も10回クイズのルールと共に思い出せた模様?

「ワザとだよ、ワザと。ワザと間違えたに決まってるだろ。司がちゃんと気付くか、お題者として試したに決まってるだろ。」

「本当?それ。」

それでもちょっと怪しい素振りを見せたが、とりあえずやってみよう。



第1問

「じゃあ先ずサエ先輩からお題出すから答えてね。」

「お、おう。」

10回クイズ、第1問。

「『東京コーヒー』って、10回言って。」

「東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー、東京コーヒー・・・。」

出題者・司に指定された通り、『東京コーヒー』を10回続けて唱える犬飼。

「学校を休むことは?」

「サボり!」

自信満々で間違った回答を。
しかも予想とはナナメ違う方向で答えたものだから、司も思わずビックリ。

「サエ先輩、不正解!正解は『欠席』だよ。サボりってなに?体調不良とかで学校休んだら、サエ先輩にとってはサボりになっちゃうの?」

「う、う、うるさい!オレが学校休む時は大抵サボりだから、ついそう答えてしまっただけだ!」

10回クイズを思い出させる時にも、もしかしてと思ったが、この人苦手。10回クイズ、絶対苦手だと司に確信されてしまう。



第2問

「よし、次はコタ先輩の番ね。」

「いつでもどうぞっす。」

10回クイズ、第2問目。

「『プリンス』って、10回言って。」

「プリンス、プリンス、プリンス、プリンス、プリンス、プリンス、プリンス、プリンス、プリンス、プリンス・・・。」

出題者・司に指定された通り、『プリンス』を10回続けて唱える桃地。

「シャンプーの後にかけるのは?」

「もちろん、お湯っす!」

彼の回答も自信満々、何も迷いがなかった。
しかもお題を出した時点で、この答えを把握していた模様。

「コタ先輩、正解。やっぱり答え知っちゃってたかー。」

「これも有名なヤツっすからね。」

これは犬飼と違って、10回クイズを桃地に間違えさせるのは少し難しそうだ。
犬飼と違って。



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