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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#66  陸上部のおつかい(2/4)
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年上口説く率直な感想

「今の見てたんだ・・・。朝から不甲斐ないとこ見せてごめんなさい。」

朋也と瑛の元へやって来た空。
今の失態が見られて格好付かないのか、ちょっと面目なさそうにヘコんでいた。
だからここは1発。瑛がこの場を和ませようとする。

「そんなことないですよ空先輩。後藤なんてさっき空先輩が跳んでるの見て、見惚れてやがったんですから。」

しかしその空気が読めない朋也。
茶化す為に自分を利用されたセリフに、否定することなくコクリと頷いて肯定。

「跳んでた姿、とても綺麗でしたので。」

さっき思った感想をそのまま彼に聞かせた。

「へっ?!」

が、それはあまりにも簡単で、単純で、ストレートなお言葉。
その感想は空も予想外だったようで、思わずドキッとしてしまう。

「・・・バー落とした時も含めて。」

「後藤くん、最後のは言わなくてもいいんじゃないかな。」



タブーな話題

相変わらずそういうのに弱い自分を誤魔化しながら、空は別の話題へさっさと切り替える。

「あ、えっとー・・・あ!そうだ。体育祭のリレー!後藤くんって、あんなに早かったんだね。見ててびっくりしたよ。」

だがその話は朋也と瑛にとって、あまり触れてほしくない話題?
空に言われた途端、和ませたかった空気が反対方向に。

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」

朋也も瑛も、2人揃って急に黙りを決めてしまう。

「え、あれ?なに?どうした、の?古河くんも後藤くん、凄かったよね?」

「「・・・・・・・・・。」」

なので今度は空がアセアセと焦りながら、微妙になったこの雰囲気を和ませようとする。



園芸部に入部した理由

話題!変更!
変わったばかりの話を、コロコロ変えていく。

「あ、でも後藤くん。古河くんとあれだけいい勝負してたんだから、ひょっとしたら陸上部の大会でも好成績残せたかもしれないよ?陸上部には興味ないの?」

それは軽く勧誘してるつもりなのか。
朋也の身体能力に、陸上部員として空は少し期待しているようだ。
朋也が園芸部に入ったきっかけは、他の部よりは平穏に過ごせられると思ったから。
入部した直後にあんな騒動があったけど、その後は特に問題なく、永瀬のおかげも大きくあって穏やかに過ごせられている。

「・・・すみません。」

だから朋也は、首を横に振って答えをNO。
園芸部以外に今は興味ないと示す。
すると瑛は、せっかく話題を変えたばかりだというのに、

「陸上に興味ない野郎に、本気にさせられた俺の気持ち。どうしてくれんだ。あ?」

「・・・・・・知るか。」

陸上部に興味ない朋也にプチっと小さくキレて、ものすごく機嫌を損ねてしまった。



当番制の買い出しなのに

話題!変更!その2!
この話はダメだ。2人(特に瑛)を喧嘩腰チックにさせてしまう。
それに気づいた空はアセアセと、またコロコロ変えていく。

「そ、そうだ。古河くん。アクエリ当番!もう行かないとそろそろマズイから、今日の放課後行っちゃおうか。」

それは以前にも、朋也と瑛の前でほんのり話した話題。
陸上部で使ってるスポーツドリンクが間も無く切れることを思い出す。

「えー・・・いいっすよ。俺1人で行きますって。空先輩と行くと、2年のあの先輩が鬱陶しいし。」

「そういうわけにはいかないよ。僕だって当番だし、鳴にはちゃんと言っておくから気にしなくても。」

けど空と行くことに渋る瑛は、朋也を見てピンッと閃きを。
それはさっきの八つ当たりなのか、仕返しなのか、嫌がらせのつもりなのか。

「大丈夫ですって。空先輩の代わりに放課後、後藤に付き合ってもらいますから。」

朋也の予定も聞かず、そう勝手に空の代役を朋也で立てたのだった。

「え?」



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