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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#65  青ノ葉 体育祭(後編) (2/4)
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クラス対抗リレー 1年の部 3

バトンが渡ったタイミングで、A組とB組の順位が入れ替わり、トップに出たのは瑛。

(この面子で負けるわけないだろ。)

その結末はリレーが始まる前から分かってた。
代表になってアンカーに決まった時から分かってた。
途中でアクシデントさえなければ。
自分の番になれば、余裕で勝つ。
なにせ1年で敵はいないから。
午前中の100m走で、それは確信にも出来たはず。
そのはずだった矢先で、

「朋也ー!頑張れー!」

(こいつ・・・ッ!)

瑛の顔から余裕だった色が消えていく。
後ろから自分を追ってくる負けず嫌いの魂を燃やした朋也との距離が、ずっと近いまま。

「瑛ー!最後まで気を抜くなー!」

(誰が抜くか!そもそも始めから抜いてねえよ!!)

離せられない予想外が、確信と慢心を捨てさせ、心の奥底まで本気に染められる。
そんな2人の接戦は残り30m。いや、最後の最後まで続きー・・・。



クラス対抗リレー 1年の部 4

「1着、A組!」

そのまま最後まで走り切った瑛が1着でゴールし、朋也は2着でゴール。
1年生のクラス対抗リレーは、A組の勝利となった。

「ごめんなさい・・・。せっかく颯太がリードしててくれてたのに、最後の最後で抜かされちゃって。」

「ううん、どんまい委員長。やっぱり瑛くんたちには敵わなかったね。後藤くんも惜しかったよ。」

「・・・・・・。」

これにて1年生の部は終了。
あとは同じチームの先輩たちに任せて、自分らは応援に励むだけ。

「朋也、なかなかやるじゃねえか。なあ?瑛。」

「・・・・・・。」

だけど接戦の果てで、2人の間に何が生まれたというのか。
瑛から向けられる視線は無言なのに鋭く、なんとなく気まずいような。どうにも居た堪れない気持ちになる朋也だった。

「・・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・・。」



クラス対抗リレー 2年の部

続きまして、クラス対抗リレーは2年生の部へ。
改めて代表選手を(主な人物だけ)ご紹介。
第1走者は、A組からは陸哉。C組からは空。

「克也と鬼頭がBにいる時点で、2年は出来レースじゃね?オレら完全ピエロじゃね?」

「うん・・・。でも僕は陸哉には負けるつもりないから。」

第3走者、B組からは久野。

「やっぱり冥が味方だと心強いな。」

「・・・・・・ああ。」

そしてアンカー、同じくB組からは鬼頭。

「本当、今年は残念だな。」

「だから冥、俺と競えないことを残念がらないで。」

よーい、ドン!の合図で、第1走者からスタートを切る。



クラス対抗リレー 2年の部 2

けどその前に、C組の応援席から。他の生徒、誰よりも大きく聞こえ届いた鳴の声援。

「空ー、頑張れー!」

「!」

そんな彼の声に、ピクッと反応を小さく示す空。
顔には出さないようにしてたが、ちょっと嬉しそう。

「陸哉なんかに負けんなー!」

「・・・・・・・・・。」

それを隣見て、陸哉は何を思ったのか。
うるさい鳴にイラついて、睨みつけて黙らせる。

「ひッ!?」

「鳴っちー。今、めっちゃ睨まれなかった?なに?陸哉、怒らせたん?お喧嘩中?」

「知らない!俺は何も知らない〜っ。ここずーっとあんな調子で、何でかは俺が1番知りたいよ。」

そうしているうちに第1走者はスタート位置に立たされ、ピストルが鳴った途端、一斉に走り出す。



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