一方、その頃・・・。 賑やかな校舎側と比べて、学生寮の医務室はとっても静か。 そこにはチロ先生の代わりに日暮寮長がいて、体育祭前日に体調崩してしまった梅ちゃんの看病をしていた。
「具合はどうだ、梅谷。今朝よりは、顔色良くなったな。」
「・・・はい。なんとか・・・です。」
「ほら、体温計。ちょい測ってみ。」
本日、欠席者となった梅ちゃんだけど、白のハチマキが枕元の側に。
「お?だいぶ下がったな。・・・よし。チロせんせーいねぇ隙に、ちょっくらグラウンドの方まで行くか?」
だから無理のない程度に、ほんの少しだけ。 日暮寮長から体育祭の参加を応援だけの形で許されたが、梅ちゃんは首を横に振ってそれを拒否。
「・・・いえ、平気です。いつものこと、ですから。ボクはここで皆さんのこと応援してます。」
でも心はクラスの皆と一緒であるのように。 彼は彼で自分のクラスを、ここで応援する。
「なのでボクのことは気になさらず、寮長だけでもー・・・。」
「いや、いいわ。俺は行かんくても、アイツらの会話だけでだいたい分かるからな。」
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