≪ top ≪ main


青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#62 それぞれの部活動風景
(サボリ組編)
(4/4)

]  [目次へ]  [

ドアからやってきた桃地

そんな3人のガヤガヤする賑やかな話し声に釣られたのか。

「犬飼さんここにいたんすね?無事っすか!」

今度はちゃんと家庭科室のドアから。ガラッと1人の男子生徒がやってくる。
その男子生徒というのは、桃地 小太郎のこと。
今までずっと犬飼のことを探していたようで、ようやく彼を見つけられてホッとしたが、

「・・・え。」

「お。小太郎、ちょうどいいとこに来たな。」

3人が一緒にいたところを見て、ピタッと停止。
犬飼と矢口が一緒なのは、まだ分かる。
けど、なぜそこに司までいるの!?
そんな今までなかった組み合わせに驚きを隠せなかった。

「小太郎にも紹介するよ。新入りの司だ。1年の森 司。なかなか見込みのある奴だから、よろしくしてやってくれ。」

「・・・・・・・・・。」

それと同時にサーっと顔を青く染めてズーンと深く落ち込む。

「あ?なんだ?なんで司を紹介しただけで落ち込んでんだ?」

「いえ、その・・・。自分の顔面が靴跡だらけになる未来が見えて、ちょっと・・・。」



桃地は犬飼命っす

「犬飼さん。森くんは知ってるというか、自分とも知り合いっす。」

「あ。コタ先輩だー。」

「あ?なんだ。それなら紹介する手間が省けたな。」

司と犬飼が仲良くなっている。
それはアリなのか、ナシなのか。どっちが正解なのか。
予測できる自分の未来にも不安を抱きながら悩む桃地。

「って、司。小太郎と知り合いだったのかよ・・・。」

「コタ先輩とは同じ部だもん。でもコタ先輩、用終わったらあっという間にどっか行っちゃうから、そんなに話したことないよ。」

「あー・・・。ってよりによって園芸部だったのか。」

だったが、

「コタ先輩。冴先輩すっごくいい人だね。「っすよね!犬飼さんは、とってもすっごくいい人っすよ!」

司がニッコリ笑顔で犬飼を褒めてきたから、桃地の心もガッチリキャッチ。
思いっきり頷いて同意し、不安な未来もその一瞬でかき消されたのだった。



自分がいなくなった後の家庭科室

「ふう・・・。輝夜たちと話してたら、すっかり遅くなっちゃった。司くん、まだ寝てるかな?あれから誰も来てないといいんだけど。」

それから数分もしないうちに、やっと演劇部から帰ってきた明人。
司を1人で残してきたことをブツブツ呟いて心配しながら、ガラッと家庭科室のドアを開ける。
すると、

「起きた?司くん。誰か来てるの?」

「あ。おかえり明人兄。」

「ちわーっす、鈴木先パイ。邪魔してまーす。」

「・・・・・・・・・。」

司が犬飼ら3人と仲良くしてるところを見て、彼もピタッと停止。
自分がいなくなっていた間、一体ここで何が起きてたのか。
パッと見ただけでは全然分からなかった。

「って、司。鈴木先パイとも知り合いって、全然ボッチじゃねえじゃねえか!」

「うん?うん。明人兄は俺の友達のお兄ちゃんで、今でも全然俺とも遊ぶよ?」

そして犬飼も犬飼で、ここでようやく種を明かされる。



それでも2人は仲良くなりました

「っというか俺、ボッチなんて言いましたっけ?」

「言ってたじゃねえか!友達いなくなったって!遊ぶ奴を探してるって!」

「あれ?俺、友達みんな部活でいなくなったから、自分と遊んでくれそうな人を探してるって言ってませんでした?」

「そんな細かな部分まで言ってねえだろ!!」

「犬飼さん、どおどお。」

その大事な一部分が抜けたせいで、司がぼっちだと思い込んでいた犬飼。
それが勘違いだと知り、今までの自分の行動を思い返して、思いっきり恥ずかしくなって、顔を真っ赤にするほど怒ってしまう。

「冴、だっせぇな。」

「うるせー!あんなややこしい言い方されたら、誰だって勘違いするだろ!よくもオレを騙しやがって!」

「えー!騙してなんてないよ俺。遊んでくれる人を探してたのは本当の話だったし、冴先輩が遊んでくれてすっごく嬉しかったし。」

「〜〜〜・・・っ。」

けどその勘違いのおかげで仲良くなった司と犬飼。

「司くんと犬飼くん、すっかり仲良しだね。はい、お茶。遅くなっちゃったけど、みんなの分も淹れたから飲んでって。」

そんな2人に意表を突かれた明人だったが、わーわー賑やかに言い合う彼らを見てクスクスと笑い、4人分の麦茶を改めて用意して。追い出すことことなく、このまま彼らが気が済むまでここで過ごさせたのだった。



青ノ葉 第62話をお読みいただきありがとうございます!

5月は本当、更新が間に合わなくて
ごめんなさいでした(滝汗)


]  [目次へ]  [
しおりを挟む




BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×