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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#62 それぞれの部活動風景
(サボリ組編)
(3/4)

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改めましての自己紹介

「お前、名前は?」

「司だよ。森 司。」

そうしてここでようやく簡単な自己紹介を。

「先輩は?」

「・・・犬飼。犬飼 冴だ。」

交わした名が、どこかで聞いたことあるような。
耳にした途端、お互いに『ん?』と疑問を抱く。

「なんかどっかで、お前の名前聞いた気がする。」

「奇遇ですね。俺もどっかで聞いたことあるような?」

「・・・まあそっちは何らしかの形であるだろ。」

「まあいいや。そんなことよりさっさと遊ぼうよ!冴先輩。」

でも気にしたのは、たった一瞬だけ。
司はワーイと喜びながら、さっそくカバンからトランプカードを取り出す。



多すぎるトランプゲームの種類

「冴先輩。じゃあ何で遊びます?せっかくだから冴先輩が選んで下さいよ。」

犬飼と。
トランプカードで。
何のゲームをしよう?

「ババ抜き?ジジ抜き?7ならべ?ポーカー?スピード?大富豪?」

「・・・・・・・・・。」

「51?ブラックジャック?ダウト?ぶたのしっぽ?神経衰弱?」

「・・・・・・・・・。」

「スパコ?ジンラミー?トランプ10?ドボン?ページワン?セブンブリッジ?あとえっとー・・・。」

「多い!多い!どんだけ選択肢出すんだよ。」

「ね。トランプ1つでこんなにも遊べるなんて凄いですよね。それがトランプのいいところ♪でもこれまだ言ってないのあるよ。」

トランプゲームの種類が多すぎて、なにそれ?どんなゲーム?
分かるやつは分かるけど、分からないやつは名前聞いてもピンとこなくて全く分からなかった。



1人ババ抜き
作者もやったことあるよ

っというわけで今回は、シンプルに遊べる『神経衰弱』で遊ぶことにした2人。

「トランプ10とかもルールはババ抜きと変わらないよ。同じ数字じゃなくて数字を足して10になるカードを2枚捨ててくだけで、最後にジョーカー持ってた人の負けってルールだし。」

「へぇー、あれだけ言ってきただけあって色々と詳しいんだな。」

「うん。よく1人でも遊ぶから調べて覚えたんだ〜。1人ババ抜きも小芝居を1人4役で挟むとちょっと面白いよ。」

「・・・そういう話、明るく言うなよ。どう反応していいか困るだろうが。」

でも犬飼が久野や他の生徒会に見つかると、その時点で終了なので、2人とも床に腰を下ろして身を隠す。
そしてお互いの間にカードを伏せてバラまき、いい感じに並べられたら準備は完了。

「冴先輩。いくら先輩でも俺、負けませんからね。」

「お。言ってくれるじゃねえか。お前がどれだけの実力者か見せてもらおうか。」

こうして神経衰弱による司vs犬飼の幕が今開かれたのだった。



司vs犬飼

しかしその戦いは、あっという間に閉幕。

「♪」

「・・・は?」

司の手元には、揃ったカードでどっさり。
犬飼の手元には、揃ったカードがペラリ。
カードのペア数を数えなくても、その量はあからさま。
2人の戦いは見事、司が勝利を手にする。

「やったやった!俺の勝ちーっ!」

「はあああ!?」

けど負けた犬飼は、この結果に納得出来なかった模様。

「もう1回だ!もう1回!今のはお前がここまでやるとは思ってなかったから油断してたわ。次はオレも本気でやってやるから、そう簡単に勝てると思うなよ」

「うん、分かった。もう1回だね、全然いいよ。」

1回だけと言ってたくせに、ワンモアプリーズ。
司ともう一度、勝負を挑む。



司vs犬飼 2

けれど次の戦いも、あっという間に終了。

「♪」

「・・・は?」

司の手元には、揃ったカードでどっさり。
犬飼の手元には、揃ったカードがペラリ。
カードのペア数を数えなくても、その量はさっきよりもあからさま。
またもや司が勝利を手にする。

「ワーイ。また勝っちゃった♪」

「・・・・・・・・・ふっ。」

また負けた犬飼は、さっきよりも短い時間で瞬殺された結果に返す言葉が出なかった。が、

「もう1回だ!もう1回!勝ち逃げなんて絶対にすんじゃねえぞ!!」

それはそれ。これはこれ。
1回だけと言ってた自分のセリフを撤回。
あまりの悔しさにもう一度、司に勝負を挑んだのだった。



窓からやってきた矢口

家庭科室が司と犬飼でガヤガヤと賑やかに。
その2人の話し声に釣られたのか。

「ここで何してんだ?冴。」

犬飼と同じように、また1人の男子生徒がひょいっと窓から入ってきた。
その男子生徒というのは、矢口のこと。
犬飼が司といるところを見て、気になったようだ。

「ちょうどいいとこにきた純平。純平も混ざれ!」

「は?」

「いいから混ざれ。そして司を負かすの手伝ってくれ!こいつ、マジで強すぎるんだって!!」

「俺は全然いいよ。先輩?も混ざって、俺らと一緒に遊ぼう?」

しかし犬飼から何の説明もなければ、司の紹介もないまま。
2人に誘われるがまま、矢口もこの戦いに参戦することに。



司vs犬飼vs矢口

矢口がやってきたおかげで、2人から3人になった人数。
人が増えても遊ぶゲームは犬飼の希望で変わらず神経衰弱のまま。

「いいか?純平。司が1年だからって油断だけは絶対するなよ。最初のオレのように瞬殺させられるからな。」

「神経衰弱如きで何言ってんだか・・・。」

本来は個々の勝負なのに犬飼は矢口とチームを組んで、2対1で今度こそ司を負かそうと、再び戦いの幕を上げた。
が、

「やったー!またまた俺の勝ち♪」

それでもやっぱりあっという間に閉幕。

「くっそ。また負けた・・・。ホントにどうなってやがる。お前の強さ。」

「!?!?!?」

司はどっさり。
犬飼はペラリ。
矢口もペラペラ。
2人から3人、2対1になっても全く歯が立たなかった。

「先輩たち、スーパー弱いね。」

「「ぐ・・・っ。」」



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