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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#60 それぞれの部活動風景
(テニス.演劇.文芸部編)
(3/3)

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鳴は渡辺や鳴海だと
違和感バリバリだったので
呼び名表記にしました

もちろん鳴の呟きは、しっかり稚空の耳に届いていた。

「どうかしましたか?稚空くん。」

「なーんか時々、上級生がオレを見て『例の弟』、『例の弟』って言ってくるからさ。なんだろう思って。」

なのでここは知り合ったせっかくの機会に。
『例の弟』とは何ぞ?と、呟いた鳴に問いただしてみることに。

「えっと渡・・・鳴先輩だっけ?その『例の弟』ってなに?」

「え゛。」

「オレの兄ちゃん、青ノ葉で何かやらかしてんの?完全に兄ちゃんが関わってることだよね?それ。」

けど、

「ところで部活もう始まってる時間だけど大丈夫か?」

「え?あ!もうこんな時間!急ごう!梅ちゃん。」

「はい!」

鳥越が間を割って入り、時計を注目させて2人を中断。
もう部活動開始時刻を迎えていたことに気づかせ、彼らを図書室へと向かわせて行った。

「・・・助かりました遼先輩。今といいさっきといい、本当にありがとうございます。」

「まあ。流石にアレを当人に言うわけにはいかないからな。」



文芸部へ

結局、『例の弟』に関して何も情報を得ることが出来なかったが、今はそれどころではない。
他の部より規則は緩いものの、それでもやはり遅刻はよろしくない。
急いで向かってやっと図書室へ着いた稚空と梅ちゃんの2人は、ガラッと扉を開けて入室。

「すみません!遅くなりました!」

「って、あれ?」

するとそこにいたのは、

「・・・!」

「あ!待って純平く・・・ああ。行っちゃった。」

黒崎ともう1人。
誰かがいたようだけどその生徒は稚空たちが来た途端、窓から外へ出てってしまった。

「ごめんなさい黒崎先輩。なんか、邪魔しちゃいました?オレら。」

「ううん、大丈夫大丈夫。ちょっとだけ2年生の子とお話してただけだったから大丈夫。」

けど他に文芸部の生徒の姿がない。
今日は集まりがあったはずなのに、どういうことだろう?



梅ちゃん呼びは1年生オンリー

「稚空君も瑞希君もいらっしゃい。」

「あれ?いるのって黒崎先輩だけ?」

なので1人でいた黒崎に改めて、この状況を説明してもらおう。

「本田先生のお子さんが風邪引いていて熱が上がったらしくて病院連れて行くからって言って、あとのことは大輔君に任せてったんだけど。その大輔君も急用が出来たらしくて集まり中止になって。もうみんな帰っちゃった後なの。」

「そうだったんですか。」

「部長も急用出来ちゃったなら仕方ないね。」

顧問である本田先生は家庭の事情で早退。
文芸部の部長も急用で今日の集まりを解散させたらしい。
そして黒崎はそれを2人に伝えるため残っていたとのこと。

「・・・にしても。梅ちゃんを『瑞希』君呼びするのって黒崎先輩が初めてじゃない?なんかすっごく新鮮。」

「ですね。言われたボクも自分のことなのに一瞬、ビックリでした。」



3人きりの文芸部

っということで。
今日も自由な活動となった文芸部。

「そういえば大輔君から稚空君に伝言預かってるよ。」

「部長からオレに?」

「うん。なんだったっけ?大輔君が個人的にお願いしたいことあるみたいで、いつか稚空君1人のときにお話させてほしいんだって。」

「オレ1人のときって、いったい何のお願いだろう?」

稚空は部員が書いた創作の小説を。
梅ちゃんは図書室から借りた1冊の本を。
黒崎は手に何も本は持ってなくて、2人とのお喋りに夢中。

「そういえば黒崎先輩は分かる?『例の弟』って何のことか。」

「例の?って。何が例になってる弟のこと?」

「何か一部の上級生がオレを見て、『例の弟』って言うから。何なのかすっごい気になって。」

「うーん・・・、僕もよく分からないなあ。ごめんね、力になれなくて。」

「いえいえ。こうなったら直接、兄ちゃんに訊いてみるかー。」

このまま静かに。お喋りはするけど静かに過ごすこととなったのでした。



青ノ葉 第60話をお読みいただきありがとうございます!

っというわけで(?)
恋文乱から次は鳴がやってきました
次回の部活風景は吹奏楽・野球・柔道部の3つ
吹奏楽部は圭、丹波
野球部は颯太、紺野と2年のアイツ
柔道部は比路、恭、久野、小町が所属しています
お楽しみに♪


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