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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#60 それぞれの部活動風景
(テニス.演劇.文芸部編)
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テニス部と演劇部

夏の大会に向けて部活動の活動が、より活発になった青ノ葉学園。
今回も数ある部活動の中からテニス部、演劇部、文芸部の3つの様子を見てみよう。
先ずはそのうちのひとつ、テニス部から。

「今年のテニス部はどうだ?どこまでいけそう?」

「うーん。初戦で勝っても、次がシード校の強豪と当たるから。ベストは尽くす気でいるけど、望みは薄いかな。それよりー・・・。」

テニス部には柘植が所属しており、そんな彼を無事、部へ送り届けようとする演劇部員の鳥越。

「毎日、御足労だね遼。演劇と全然違う方向なのに。」

「いいだろ別に。オレが好きでやってんだから。」

「ふーん・・・。」

その理由は、ちょっと単純。かなり単純。

「そんなにボクのこと、好き?」

「い゛ッ!?バッカ!そんなにハッキリ言う奴あるか!誰かに聞かれてたりしたら・・・っ。ああ、そうだ。その通りだ。大好きだこの野郎!」

隣を歩く柘植と、少しでも長く一緒にいたいから。
それを向こうがお見通して図星をつっついてきたから、最初は焦ったけど直ぐに肯定。大肯定。
ニコニコと余裕綽々でいる柘植に負けないよう、当然な心で張り合う。



自分だけの彼

っというのも、鳥越は自分の口で告げた通り。
柘植に「くん」を付けて呼ばれるのは嫌。
柘植が自分以外を呼び捨てで呼ぶのも嫌。
そんな自分だけの欲を抱くほど、柘植のことが好きなのだ。

「じゃあまた後で迎えに来るから、今日も一緒に帰ろうな。」

「いつも思うけど、早く終わったのなら先に帰っててもいいんだよ?遼だって、本当は早く帰りたいときあるでしょ?」

けど相手は、何でもお見通ししてくる『紬様』だ。
ちょっとの隙で主導権を持っていかれるのが悔しくて、なんとか対抗するものの。

「一緒に帰る言っても、学校から寮って直ぐそこまでの距離だし。」

「そうだ。その短さでも一緒に帰りたくて言ってんだ。絶対に迎え来るから絶対に待ってろよ。てか、さっきから絶っ対分かってて言わせてるだろ。」

「うん。」

それすら読まれまくって分かってる上で言わせられるから、結局『主導権はあちら』状態なのであった。



恋い慕う2人


「なんてね。・・・遼。」

でもそれはどちらか片方だけではない。

「いつも来てくれてありがとう。あと、それからー・・・。」

鳥越も柘植も一緒。
お互いがお互いを慕い合う仲だからこそ。

「ボクも。遼のこと、大好きだからね。」

それを自分に向けて告げる彼の表情は、狂おしいほど誰よりも愛おしく。

「紬・・・、抱き締めていいか?」

「駄目だよ。もう着いちゃったから。」

しかしちょっとでも長く一緒にいたかった時間は、本当にちょっとで短く、あっという間で瞬く間におしまい。
テニスコートに着いた途端、柘植が『またね』と部に去って行っちゃったから。抱き締めたかったこの腕は行き場を失くしてポツーンと。心と共に切なくなる鳥越だった。



演劇部部長の挑戦

そんな彼が所属する演劇部では今・・・。

「い、嫌です。輝夜部長、それだけはマジで許して下さい。」

部員が1人。部長である華澄に壁際の際まで、逃げ場がなくなるまで追い詰められていた。
そんな華澄の右手には、スクールスカート。
左手には、ふるゆわなロングのスカート。

「大丈夫、大丈夫。試しにだって、試しに。俺に騙されたと思ってさ。このスカートのどっちか、鳴も履いてみてよ?ね?ね?ね?」

「絶対嫌だー!!!」

もちろんそれは明人に仕立ててもらった華澄専用衣装の一部。
追い詰めたその部員に、それを試させようと『レッツ・女装チャレンジ』していたのだった。

「何してんの?華澄先輩・・・。」

演劇部にお邪魔しにきたばかりな稚空、梅ちゃんの2人がいる前でも気にせずに。



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