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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#59 それぞれの部活動風景
(園芸.家庭科.陸上部編)
(4/4)

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瑛の次は空

花壇の次は瑛。瑛の次は空にも水やりを。

「ふぅ・・・。後藤くん、僕までやってもらっちゃってありがとう。今日も暑いから助かっちゃった。」

「い、いえ。」

朋也は『なんだ?この状況・・・』と心で静かに思いつつ、本人らが満足してスッキリしたならそれでいいかと自分で自分を納得させる。
これで2人とも気が済んだかと思いきや、

「そうだ、古河くん。今度のアクエリ当番、僕らだよね?まだストックに余裕あるけど切らさないうちに行っておかないと。いつにしようか?」

「えー。ヤですよ、空先輩と2人で出掛けるの。よく見学に来る2年の先輩いるじゃないですか?前回行った後。あの人が何でか、いつまでも俺のこと睨んできて鬱陶しかったですし。」

「え?あぁ、そうだったんだ。ごめんね、古河くん。なr・・・その人には僕からもよく言っておくから。」

瑛も空も部に戻ることなく、このままお喋りを続けるから、2人を眺める朋也だけがハラハラして心落ち着かずにいた。



訪れる陸上部員3人目

するとそのとき、3人のもとへ。

「ミイラとりがミイラになってどうする。」

「わ、冥!?」

またまた別の陸上部の男子生徒、鬼頭がやって来た。
が、なかなか部に戻ってこない瑛と、迎えにいったはずの空がいつまでも帰って来なかったから、ちょっと不機嫌な様子。

「ん、見学者と一緒にいたのか。悪いが部員の邪魔する奴はー・・・。」

「あぁぁ、違うよ冥。逆だから逆!僕らが園芸部の邪魔しちゃってただけだから。後藤くんに怒っちゃ駄目だよ。」

だから間に入った空が朋也を庇ってフォローフォロー。
ありのままの事実を述べて、ある程度、濡れた髪が乾いたらちゃんと瑛を連れて戻る予定だったと伝える。



名は知らず顔だけ覚えてます

「後藤くん?ー・・・って、ああ。お前か。」

「・・・ども。」

「あれ?冥も後藤くんも、知り合いだったんだ?青ノ葉って世界狭いね。」

「克也の後輩・・・と学寮戦の時、一緒にいた奴。」

抜け出した2人のこととは別で、朋也を見て知ってる顔だと思い出す鬼頭。

「鬼頭先輩、それって知り合いの範囲に入ります?ほぼ他人の領域では?」

「あはははは・・・。でも誰か繋がりで知ってく人、多いよね。青ノ葉って世界狭いから。」

朋也も鬼頭とは顔だけ知ってる人だったけど、こうして2人も名を交わして知り合っていく。



全く喋らないわけじゃない2人

しかし鬼頭は、ここに来た本来の用を忘れない。

「それはともかく。古河も空もいい加減、戻れ。」

「はいはい。鬼頭先輩は相変わらず厳しいな〜。それじゃあな後藤。」

「僕までお邪魔しちゃってごめんね後藤くん、でも水浴びせてくれて本当にありがとう。またね。」

抜け出した2人に戻るよう指示を出し、瑛も空もグラウンドに帰っていくまで、最後まで見届ける。
そうしてここに残る朋也と2人になった途端、

「・・・・・・。」

「・・・・・・。」

あっという間に静かに。
瑛と空が騒がしかったというよりは、朋也も鬼頭も自分からあまり言葉を発さない者同士だから、この静けさは当然のようにやってきた。
けど先に口を開いたのは鬼頭。

「悪かったな。部員が2人も邪魔をして、俺も勘違いしそうになって。」

「あ、いえ。こちらこそ・・・、すみませんでした。」

頭を下げて謝罪し、朋也に改まってお詫びを申す。



空の次は花壇へと戻り、冥に至らず

だがまだ何かあるのか。

「・・・・・・。」

「・・・・・・?」

瑛も空もちゃんと帰ったのに、戻って行かない鬼頭は朋也を見続ける。
そして何かを言いかけたが、

「・・・悪い。やっぱ何でもない。」

「はい?」

フルフルと首を横に振って、そう自己完結。

「俺まで邪魔して悪かったな。」

またもや謝って、今度こそグラウンドへと戻っていった。

「???」

いったいなんだったのだろう。
言いかけた何かを語ることなかったから、何なのか全くもってさっぱり分からない。
もしかして彼も水を浴びたかったとか?
そんな鬼頭を不思議に思いながら朋也は、花壇の水やりを再開。
いつもより遅くなってしまったが無事、今日も平穏に園芸部の仕事を終え、片付けを済ましてから彼も寮へと帰って行ったのだった。



青ノ葉 第59話をお読みいただきありがとうございます!

っというわけで(?)
恋文乱から先ずは空がやってきました
次回の部活風景はテニス・演劇・文芸部の3つ
そして次出てくるやつは勿論アイツ・・・。
お楽しみに♪


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