陸上部は全員、ユニフォームを着ており、種目ごとに分かれてトレーニングを積んでいるようだ。 でも今、休憩中?にしては、他の部員は練習に励んでるのが、ここからでもよく見える。 なのに瑛はまだグラウンドに戻らず、まだまだ朋也と一緒にいた。
「戻らなくていいのか?」
「水飲み休憩で少し抜け出してるだけ。炎天下の中でやってるから、ちゃんと水分補給しとかんと熱中症になりかねないからな。」
「なるほど。」
「ところで後藤。それ、いいな。」
「・・・それ?って、どれ?」
「それだって、それ。今、後藤が手に持ってるやつ。」
そして朋也が持つホースに興味を示した瑛。
「花壇に向けずに、ここら辺で出し続けてくれないか?」
「ここら辺で?・・・こうでいいのか。」
「そうそうそう。ちょっと失礼。」
「!?」
自分が持ってたタオルを朋也に持たせて、そのままサババババーッと。シャワー口のホースから出る水で頭をまるごと浴び始めた。
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