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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#58 いつもと異なる月曜日の朝(1/2)
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日曜日から月曜日にかわる頃

休日だった日曜日が終わって、明日の月曜日から始まるのは夏の大会に向けた部活三昧の日々。
いつもの月曜日ならどの部も朝練はお休みだが、明日からは違う。どの運動部も、さっそく明日から朝練がバッチリあるのだ。
そんな中でもいつも通りに自室で一人ゲームして遊んでいた司。

「ふぁ・・・っ。」

気が付けば、もうこんな時間。
気が付けば、あくび祭りの自分。
気が付いたら、このまま寝落ちなんてオチあり得てしまいそうだ。

(そろそろ寝るか。)

なのでキリのいいところで電源をオフ。
ゲームをやめて、二段ベッドの梯子を上って自分のベッドで寝ようとした。
そのとき、

「Zzz・・・。」

下の段で自分よりもはるか先に寝た比路の様子がふと気になり、そっと静かに覗く。



節介も過ぎれば余計なお世話

自分のベッドの段で、ぐっすり寝ている比路。
数時間前、『まだ寝ないの?』『明日から僕いないんだから起きられなくても知らないんだからね』と、口をすっぱくするほど煩く節介してきた頃と比べるとえらい静かだ。

(火曜日でも水曜日でもそれは一緒。今までどおりに朝練あって、そこに月と木も追加されるってだけだってのに。)

それだけ明日の朝を心配されてるってわけだが、司にとってそれは心配ご無用。
今までだって火曜も水曜も自分は変わらず起きれたんだ。
たかが明日から異なる月曜日ぐらいどうたことない。

(なんであそこまで喧しく言ってくるかね。・・・はぁ。)

節介も過ぎれば余計なお世話。
そんな数時間前のやりとりを今さら思いだし、改めて疲れた溜め息を吐いた。



イコール司専用スペース?

それはそうとして気になったのは、比路が寝てる隣のちょっと空いたスペース。
今まで自分が散々忍び込んできた成果の賜物?
狭いけれど、人1人ぐらい入れる分があった。

「♪」

それを見ていたら、なんとなくそこにお呼ばれされてる気がして。
司は梯子を上るのを上機嫌でやめて、比路のベッドの段に。

「へ、へ、へ♪」

「ん・・・。」

成果の賜物は自身にも身がついていたようで、忍び込むスキルもちょっと上達し、少し危なかったけど彼を起こさずに成功。
そうして今夜も比路のベッドの段で、比路と2人で眠りについたのだった。

「・・・おやすみ、ヒロ。」



6時の朝風景

それから何時間経ったのだろう。
朝の6時を迎えたと共にバタンッと閉まった部屋のドアの音。
ぐっすり寝ていたはずの司が、それで目を覚ます。
そして自分の横を見ると、

「ん・・・、あれ?」

隣で寝ていたはずの比路がいなくなっていた。
トイレに行ったにしては、妙な違和感。

「ヒロ・・・?」

え?あれ?
今日って月曜だよね?
朝練ない日なのに、なんでもう起きてんの?

「・・・あ。」

でもそれは寝惚けが招かせた疑問?
今日から違う。
今日の月曜日から柔道部も朝練があることを思い出して。思い出せて、いつもと異なる月曜日を実感した瞬間。



いなくなった彼の痕

けどそれは司にどんな感情を齎せたのだろう。

「・・・・・・。」

いなくなった彼の布団の痕を見つめて。
そこにはもう誰もいないのに。
自分しかいないのに。

「・・・・・・・・・。」

まるでそこに誰かがいるのか。
いつまでもずっと眺めていて。
いつもと異なるこの朝を、このまま1人で静かに過ごした。

「・・・・・・・・・・・・。」



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