それを聞いた途端に、比路は顔色を不安で染める。
「ヒロもいいだろ?」
彼は武道経験者であり、道場に通ってたこともあるが、それはもう過去の話。 今は辞めてることを司はもちろん、知っている。
「司。・・・なんで?」
そのはずなのに、なぜそこを選んだのだろう。
「稚空くん。えっと司くんではなくて、比路くんが道場に通っていたんですか?」
「うん。ひろピーが道場通ってたのはオレも知ってるけど、あれ?なんで辞めたんだっけ?時期的に受験勉強したいからじゃなかったっけ?」
「へぇ〜。比路くんが柔道習ってただなんて意外です。」
「まぁオレらの中で一番腕力あるのは、間違いなくひろピーだからね。見れば納得できると思うよ。」
「見ればって・・・、何をですか?」
梅ちゃんはもちろんのこと。 比路が道場通ってたことを知ってる稚空でも、辞めた理由までは知らないようだ。
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