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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#8 部活動勧誘会(中編)(1/2)
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合流

「にしても明人兄、ホント相変わらずだったな。」

「だから言ったじゃん。どこでも相変わらずにしてるって。」

「梅ちゃんの分のお土産も出来てよかった。」

家庭科室から最寄りの階段を上がって上がって、三階の廊下に辿り着いた三人。
すると図書室で待っていた見覚えのある一人の男子生徒に、ハッと気が付く。

「あれ?梅ちゃん!?」

「・・・あ!」

その男子生徒というのは、さっき寮で別れたばかりの梅ちゃんだった。



梅ちゃんも一緒に

三人を待ってた梅ちゃんも三人に気が付き、ほんわかと安心した笑顔を見せる。

「もう先生たちの挨拶は済んだ?」

「はいっ!ついさきほど終えたばかりです。」

「そっか。会えてよかった。」

こうして自分の用が終えた梅ちゃんと無事に合流。
このまま四人一緒に図書室へと足を踏み入れた。

「でも僕らが図書室行くって、よく分かったね。」

「実は比路くんたちの部屋に行く前、稚空くんが文芸部に行くという話を聞いていたものでして。」

「なるほどなるほど。でも梅ちゃん、少しでも遅れてたりしたら危なかったね。俺らと完全にすれ違うとこだったよ?」

「でもこうして無事、皆さんに会えましたから結果オーライです。」



青ノ葉 文芸部

文芸部の部活場所。図書室に入った司、比路、稚空、梅ちゃんの四人。
室内はとてもとても静かな雰囲気で包まれており、緊張感で背筋がピーンと伸びた。
そんな中、文芸部の顧問である先生が四人を出迎える。

「文芸部へようこそ。って、おや?」

「「本田先生!」」

「こらこら。森くんも峰岸くんもシー・・・。お静かに。図書室で大きな声なんて出しちゃダメですよ。めっ。」

「めって・・・。」

文芸部の顧問は、なんと1年B組の担任教員、本田先生だった。
そういえばさっき自分は文芸部の顧問をしてるって、さりげなく。あまりさりげなく見えなかったけど文芸部の宣伝してたっけ?



入部希望は稚空のみ

「梅谷くんも来てくれたんですね。あ、さっきはわざわざ職員室に来てくれてありがとう。」

「いえいえ、こちらこそ。文芸部の先生が本田先生だったなんてボク、ビックリです。」

彼らを迎えた本田先生は、嬉しそうな表情で入部手続きの用紙を四枚分、いそいそと用意する。
けど、

「入部希望は四人全員でいいのかな?」

「いえ。希望してるのはオレのみです。」

四人中、入部希望しているのは稚空のみ。
他の三人にアッサリと断わられてしまい、咲かせた顔色をあっという間にしょんぼり枯れさせる。

「なんか、すみません。オレだけで。」

「・・・いえ。だ、だ、だ、大丈夫ですよ。鈴木くん一人だけでも入部希望の子が居てくれて、先生ホッとしました。」



部活はどんな理由でも必須です

「そういえば梅ちゃんは、どこの部活に入るの?」

「ボクはその・・・。自分の体のことで精一杯ですから。入部しても肝心な日に体調崩して皆さんにご迷惑かけてしまいそうなので。」

梅ちゃんも自分なりの訳があり、どこの部活にも入部する希望がないようだ。

「なら僕らと一緒だね。」

「え?」

「俺らも入部したい部活が特にないんだよ。」

「え!?そうなんですか!?そんな・・・、司くんも比路くんもそんなの勿体ないですよ!」

そんな帰宅希望の二人と一人にもう一度。

「こらこら、めっ。部活動は必須だから。ちゃんと入部する部活、決めておこうね。」

「帰宅部不可だって、さっきも言ったでしょ〜?」

本田先生と稚空から注意されるのでした。



行きたい部活場所

こうして文芸部の入部手続きを、稚空が済ませたところで文芸部への用事がこれで終わり。
入部希望しない子が三人もいるので、これ以上冷やかさないよう速やかに図書室を後にする四人。

「さて、と。このあとはどうしようかね?」

「目当てだった部活は、これで全部だっけ?」

「全部も何も君ら揃いに揃って不可な帰宅部希望だったから、目的も一か所で終わっちゃったよ。」

家庭科部に文芸部。
部活動勧誘会なのに見学したのは、その二か所のみ。

「体育館の方で吹奏楽部か演劇部のステージやってるようだけど、暇つぶしにそこらでも行ってみる?他に見に行きたい部活あれば付き合うし。」

文芸部に訪れた時のように、入部する気がなくても見学は自由。
なのでせっかくだからと。他の部活場所にも行ってみようと提案をする稚空。
すると、

「じゃあ俺からいい?」

部活よりゲームを選んだ司が真っ先に、その話に乗っかる。
そんな彼が希望した場所は、

「さっき青ノ葉にも道場あるって言ってたよね?そこに行ってみてもいい?」

「え。」

「えっとそこは確か柔道部だったかな?」

なんと青ノ葉道場の柔道部だった。



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