「さて。俺はそろそろ戻らないと。」
「克也先輩、部活やりに来たんじゃ?」
「見回りついでに自分の部活を見に来ただけだよ。委員会の仕事もまだあるし、会長に全部任せておくわけにもいかないから。」
道場に訪れてから数分も経たない内に、ここから去ろうとする久野。 彼が所属してる委員会。もしやその腕に付けてる腕章と関係あるのでは?
「久野先輩は生徒会の方、なのですか?」
それをずっと見ていた梅ちゃんは気になっていたのか。 それを口にして、久野に問う。
「うん、そうだよ。」
すると彼は頷いて答え、自分が生徒会役員であることを明かした。
「おー!さすが克也先輩!」
「さすがってほどでもないよ司。今日みたいな日は特に自分の部活を疎かにさせちゃうから。」
柔道に関しては今も現役な久野。 優しくて頼りがいもあるそんな完璧な彼だからこそ、きっと生徒会の役員に選ばれたんだろう。
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