≪ top ≪ main


青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#54 久野克也尾行調査(4/4)
]  [目次へ]  [

久野と犬飼

久野は模範生の生徒会副会長。
犬飼は不良学生の落ちこぼれ。

「で?結局、今日1日何してた?俺を朝からつけ回して。」

「なんだっていいだろ、お前には関係ない。アンタこそなんだよ。優等生でいい子してた割には不満ありそうな顔しやがって。」

「・・・なんだっていいだろ、お前には関係ない。」

お互いの立場上、身分が違いすぎて遠すぎて、近づくことは簡単に許されない。周りが許さない。

「人のセリフ、パクんな!!」

「パクってない。俺は思ったことを言っただけだ。」

だからこの時間がどんなに短くても、久野にとっても犬飼にとっても、2人だけで話す機会は貴重と言えば貴重だった。

「ホントにお前は自由奔放でいいよな。そうか、俺、お前のこういうとこが嫌いだったのか。」

「後半、改めて言うことか?それ。」



久野と犬飼 2

「ふむ、なるほど。」

「何1人で納得してやがる。」

「お前のことを改めて、総合的に考えたんだけどさ。」

「はいはい、どーせオレはロクでもねーよ。どーせ嫌い言うんだろ?」

「いや。」

けれどこれはその関係の終止符となり得たのだろか。

「俺、犬飼のことあんまり嫌いじゃないかもな。」

「・・・は?」

久野が笑顔で言った何気ない言葉が、犬飼を罪深く突き動かした瞬間だった。



好きでも嫌いでもない言葉

「なっ!?ななな・・・!?!?」

はっきり『好き』とは言ってないその言葉。
けど『嫌い』をはっきり否定したその言葉。
中途半端な言葉だけど、まさか久野に言われると思ってなかったのか。
驚いた犬飼は心をドキドキと早く脈打たせ、ビックリしただけなのに思わず顔を赤に染めて焦ってしまう。

「ばばっ、ばっかじゃねーの!オレはお前のこと大嫌いだし!!」

「ははは、そうかもな。でも総合的に考えた結果、俺は嫌いじゃないってなっただけだ。」

「うるせー!オレはお前のこと嫌いなんだから、お前もオレのこと嫌いでいろよ!今まで散々、嫌い嫌い言ってただろうが!!」

「仕方ないだろ。総合的に考えた結果が、嫌いじゃないってなったんだから。」

果たして犬飼に走ったこの衝動を。
久野のように総合的で考えたら、どんな気持ちで例えたらいいのだろうか。



理由は作るもんじゃありません

2人だけで話した時間は短かったからあっという間。
時間を気にした久野が寮に帰ろうと言い始め、おとなしく犬飼も帰っていく。

「ところで犬飼、蓮さんに届け出出してる?まだだったらこのあと容赦なく罰さられるけど。」

「出すも何も。クソ寮長に朝、書かされたから問題ねーよ。」

「朝に?って、え?いつの朝???」

「今朝に決まってるだろ。最初にバレたのクソ寮長だし、久野をつけるなら書いてけって言われて。」

その途中で、犬飼が起こした今日の発端を。

「・・・・・・・・・。」

許可したのは紛れもなく日暮寮長。
それを知った久野は顔から笑顔が消え、寮の玄関にいた寮長にさっそく怒りをぶつけると共に理由を問いただしたのでした。

「んだよ。もうバレたのか犬飼。俺のことまでバラすんじゃねえよ。」

「どういうことですか蓮さん!」

「どういうことと言われてもな。・・・理由、欲しければ作ってやるが要るか?」

「要りません!!」



青ノ葉 第54話をお読みいただきありがとうございます!

犬飼から見た久野メインのお話でした
ただアレですね
セクハラネタ続くと、そろそろ飽きてきますね
次回は真面目に書きます


]  [目次へ]  [
しおりを挟む




BL♂GARDEN♂BL至上主義♂
2015.05start Copyright ちま Rights Reserved.
×