ここまで自分が気付かれないようにコソコソしていた犬飼。 朝の生徒会室での様子も特に変わったことがなく、ふうっと疲れた溜め息吐いて凝った肩と首をコキコキ鳴らす。 するとその時、
「犬飼さん、ここで何してるんすか?」
「ひッ!?」
今まで誰にも気付かれてなかったのに、こんな自分に気付いて声をかけてきた桃地にめっちゃビックリ。 咄嗟に彼の口を手で抑えてはそのまま壁まで押し付けて、強引に黙らせる。
「黙れ小太郎。ここでオレの名は言うな。」
「は、はい・・・。」
「いいか?オレは今、大事なことやってんだ。だから今日1日、オレに話し掛けんじゃねえぞ。分かったな?」
「・・・はい。」
そして邪魔されないようにそう言い付けたが、桃地にとって今はそれどころじゃない。 犬飼から壁ドンくらって、こんな間近で彼を見れて、ついつい頬を赤く染めさせていた。
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