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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#53 夏の服装検査(2/3)
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2年生の服装検査

「1年はやっぱりまだ真面目だなぁ。さて問題はここからか。」

「案の定で犬飼たちの姿、見えないな。」

「軍団は解散したって話、本当かねぇ。」

次に寮からやって来たのは2年生の鬼頭。

「おぉ。鬼頭は、また一段とこんがり焦げてきたな。」

「鳥越先輩、余計なお世話です。」

「まぁまぁ。次の大会も期待してるから頑張れよ。」

夏の日差しによってより増した肌の色黒さ。
おかげで夏制服の白さが目立つが、主に鳥越から検査を受け特に問題なし。

「・・・・・・。」

別の生徒を検査してる久野がいる方向をチラッと一瞬だけ確認。
久野も気付いたからアイコンタクトを交わした後、何も語らず彼もまた昇降口へと向かっていった。



裏門の服装検査

その一方で。
犬飼と桃地は生徒会の読み通り、正門を避けていた。

「げ。やっぱり裏まで張ってやがった。」

「ここは自分が囮になるので犬飼さんは別ルートから行って下さい。あの塀の柵が抜け道なるよう昨日のうちに作っておいたっす。」

「あそこか。」

けど裏門には永瀬を始めとした先輩たちがいたけど、永瀬以外はどうでもいい。
永瀬がいるから恐れをなし、『永瀬には逆らうな』という自分たちが決めたルールは、軍団が解散された後も心のノートに刻み、あの日ひどい目にあったことを今でも忘れない。

「コタくんおはよ〜。」

「おはようございますっす、めぐ先輩。」

「サエくんとは、いっしょじゃないの?」

「一緒じゃないっすよ。」

・・・忘れてない。

「おう。じゃあなんで犬飼と一緒じゃない桃地が、裏から来やがった。」

「嘘ついたら、めぐの泣き入れっぞ。覚悟出来てんだろうな!?あぁ!」

「畑に水を遣りに来ただけっす・・・。正門より裏門からのが近いっすから。」

忘れてないけど、桃地はそれでも犬飼を意地でも守り抜くつもりだ。



裏門の服装検査 2

「もー!コタくんいじめちゃダメでしょー!ボクなくよ!」

「それだけは勘弁して下さいっす。」
「それだけは勘弁して下さい。」

だから桃地が永瀬らや3年生のクラス委員を引き連れている間がチャンス。
犬飼はそれを見て、隙があるうちに塀の柵を身軽によじ登って越え、横から侵入成功。
『よっしゃ!』と思っていられたのもつかの間。

「ナァーン。」

「げ!?デブ猫!!」

青ノ葉の敷地内を徘徊する永瀬のペット(?)、白ネコのシロと遭遇。
我が儘ボディーを誇らしているが、決してデブではなく、『ふくよか』と言ってあげて下さい。

「おい離れろってデブ。デブ言ってんだから、どっか行けってデブ。」

「ナァーン♪」

けどシロは犬飼にデブデブ連呼されても何故かおとなしく、

「あーもー・・・ベロベロ舐めんなデブ。」

むしろめちゃくちゃ懐いている様子。
生徒会が誰も彼を処さない代わりに、シロからベロベロの刑をくらっていた。



3年生の服装検査

ところ戻って正門では。

「小町 豊!そこへ直れ!」

「ん?なんで?」

キランッと眼鏡を光らせた丹波に取っ捕まったのは小町。
彼は今日が服装検査の日だということを忘れていたのか。
夏制服でもいつも通りに乱した格好にネクタイはなく、誰に向けてるか分からない胸アピールをしていた。

「あぁ。服装検査、今日だったか。明日だと思ってた。」

「駄目ですって、豊先輩。先輩がちゃんと守ってくれないと後輩の俺らも困るんですよ。」

「あーあーあーあー。やっぱり豊がやらかしたぁ。」

おかげで指導が入り、彼の元に久野や鳥越までもが集まる。



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