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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]
#51 学寮戦の裏側(4/4)
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学寮戦明けた翌朝 | 翌朝。 あれからストンとすんなり眠りにつけたようで、気が付いたら朝を迎えていて、部屋も明るくなっていた。
「・・・・・・。」
ここは3年の黒崎の下宿先の部屋。 怪我した自分を手当てするために連れ込まれ、そのまま泊めてもらった。 見覚えのない天井を見つめながら、改めて知る紛れもない現実。
「・・・・・・。」
そこに感謝の気持ちは生まれないが、なんというか。 寝て起きて直ぐの今だからか、昨日の最後にナナメった機嫌はすっかり落ち着いていた。
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寝落ち黒崎 | 一方、この部屋の主は、
「すぅー・・・。すぅー・・・。」
近くの本棚に背もたれて座ったまま、ぐっすりスヤスヤ。 彼の周りには本がいっぱい。 手にも1冊持ったまま。 彼はここで寝たというより、ここで寝落ちしたと言った方が正解な気がする。 布団も敷かずに何やってんだ?この人。
「・・・はぁ。」
そんな黒崎を見た矢口は溜め息を混じりさせながら、使わせてもらった毛布を黒崎に被せて返却。 起こすとまた面倒なことになりそうなので、このまま放置。放ったらかす。
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おにぎり(塩多め) | テーブルには、ラップに包まれた歪な2つのおにぎり。 『お腹空いたら食べてね』と書かれたメモ用紙が隣に添えられていた。
「・・・・・・。」
さすが文芸部の生徒。 自分と違って、字の書き方が丁寧でキレイ。 でも今はそれに構ってる場合ではない。 矢口はお腹空いてた自分の腹も落ち着かせるため、おにぎり1つ取ってパクり。
「・・・ッ!」
美味いと言うより不味いと言うより、しょっぱかったおにぎり。 予想ナナメ上の味に思わず声を上げかけたが、グッと堪えて、このまま空っぽのお腹にしまった。 もちろんお代わりは、もういらない・・・。
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戻ってきた日常 | そして靴を持って部屋の窓から外へ。 最後の最後まで黒崎に何も言わないまま、置き手紙もしないまま、1人先に学校へと戻って行った。
「・・・・・・。」
昨夜にあったあの時間は、あれっきりで最後。 もう懲り懲りだから、あれ限りであってほしい 学校へ戻れば、戻ってきた普段の日常。 そうしてまた誰にも関わらない1匹狼日々を。いつもと変わらない時間を送った。 戻ってこれた現実に、矢口は心底ホッとした。 はずだったのに・・・。
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はじまりのきっかけ | 昼食終えた昼休み。 中庭の木陰で休んでいた真っ最中、
「純平君、やっぱりここにいた〜。」
「!?」
黒崎に自分を見つけられた声に驚くと共に、矢口は自分の願いが叶わなかったことを知る。
「あ、ひょっとして今寝てた?起こしちゃった?僕。」
と言うか、『やっぱり』って何? 気付けば矢口(名字呼び)から、純平(名前呼び)に変わってんだけどいつの間に?
「・・・・・・。」
あれっきりであってほしかったのに。 あれ以上、関わりたくなかったのに。 あれがきっかけとなり、向こうからその壁をアッサリと破られてしまったのでした。
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青ノ葉 第51話をお読みいただきありがとうございます!
まだ5月ですが、そろそろ6月に移り変わります (クロカルの6月は話の都合であっという間だったけど 青ノ葉ではじっくり6月書くよ!書きたいよ!)
学寮戦をちんたら更新していたこともあり しばらくぶりになってしまいましたが 新キャラも2年&3年生中心に出てきます ちなみに1年は暫く増える予定ないです C組の1年生、何人か欲しいのですが あれ以上増えると管理しにくくなるので・・・
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