しゃっくりを繰り返すほど泣きっぱなしだった男の子。 だがいつまでもそれでは話が進ませれない。 だから頬っぺたに触れていた手は、そのまま男の子の涙を拭う。
「いいか?男はそんな簡単に泣いていいもんじゃねえぞ。泣いていいのは、そうだな。」
「ひっく・・・。」
「産まれたとき、親が死んだとき、愛する人を失ったとき。あ、あとチャックで挟んだときも泣いていいか。アレすげえ痛ぇし。」
「・・・えぐえぐっ。」
「とにかく。男なら簡単に泣くな。泣き虫さんとバイバイしたけば泣き止んでくれ。」
彼なりにあやしているつもりなのか。 トン、トン、トンと。 背中まで優しく優しくリズムよく叩いて、泣きっぱなしの男の子を落ち着かせた。
「・・・っ・・・うん。」
「よし、いい子だ。」
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