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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#49 青ノ葉 学寮戦 (epilogue)(3/3)
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非日常から戻ってきた日常

その指示のおかげで、あっという間に迎えた就寝時刻。
ついさっきまであんな非日常のような思いをしたのが嘘みたい。
今ではすっかり静かになって元の日常へ戻っている。

「はぁー。なんか今日、いろいろと疲れたね。」

「・・・・うん。」

「さすがにもうゲームする気、起きないや。」

「そう、だね。」

けど心身ともに疲労の色で染まっていて、司でさえゲームを取らず、寝てしまいたい気持ちが強いようだ。
だからいつもより早いがいつものように二段ベッドの階段を上がろうとした。そのとき、

「司。・・・待って。」

後ろから呼び止めるとともに、比路が服の裾を掴んできたのだ。



悪夢を見るのは嫌だから

「・・・・・・。」

今日は色々あったから。
今日は本当に色々あったから。
このまま終わりに出来なかった今日。

「どうしたの?ヒロ。」

「・・・・・・。」

いや。ただ単純にこのまま1人で寝るのが怖かっただけなのかもしれない。

「また一緒に寝る?」

「・・・うん。」

「いいよ。おいでヒロ。」

狭いのは分かってるからいい。
だからまた2人は1つのベッドで一緒に寝ることにした。
悪い夢を見てしまいそうで、それが何よりも怖かったから。



みんなが寝静まった真夜中にて

そうしてみんなが寝静まった真夜中。

「・・・っ・・・、ぁ!」

妙な声が司と比路の部屋から響く。

「ひ、ひろ・・・やめ・・・ッ!」

その声の持ち主は、比路ではなく司。
彼は比路と寝たわけではなく、あれからも起きていたようだ。
何故なら、

「やめてヒロ!離し・・・!そんなバカ力で俺に抱きつくなって・・・っ!」

司に抱きつく・・・、いや。しがみつく比路の増した力はとっても強く、パキポキと司の骨まで悲鳴をあげさせる。

「んー・・・!」

「んー・・・じゃなくて、俺を離せって!」

「んんんー・・・!」

さすがに苦しくて寝れないので、なんとか比路を剥がそうと試みたが無駄。
嫌がられると共に、どんどん力が増していく。

「あーもー!」



傍にいるから

なので耐えれそうになかった司は、ほぼ勢いで。
それは本心なのか。
それとも逃れたかっただけなのか。

「俺はここにいるから。ちゃんとヒロの傍にいるから!」

自分はここにいる、と。
比路の傍にいることを強く言い放つ。
すると寝ていたはずの比路にしっかり届いたのか。

「・・・・・・。」

しがみついていた力が、スッと和らいでいく。
でもこのまま離れてしまうのも嫌だった司。

「おっと、うん。これぐらいで丁度いいよ。俺もヒロをギュッとしたいから。」

だからこっちからも抱えて剥がれるのを阻止。
そうしてこの夜を一緒に朝まで過ごすのでした。

「俺も・・・駄目だよな。そろそろ現実見ないと。」



青ノ葉 第49話をお読みいただきありがとうございます

本来は2017年内に終わるはずだった学寮戦
予定より4ヶ月もオーバーしてしまいましたが
やっとこさ終わらせることが出来ました

1章目は朋也編
2章目は比路編として考えるなら
今回の学寮戦編は2.5章に値します
なのでぶっちゃけて言えばただのおまけ・・・

おまけ編なのに、丸々ひと月以上休んでまで
こんなに長ったらしく書いておりました
本当にごめんなさい



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