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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#7 部活動勧誘会(前編)(1/2)
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部活動は必須

部活動の勧誘会という見学会に向かう司、比路、稚空の三人。
桜並木の一本道の通路を歩いて、再び校舎へと向かう。

「二人とも、もう入る部活決まってたりする?」

「部活やる時間あるならゲームしてたい。」

「つかポンは相変わらずゲーム一心だね・・・。」

「だから、つかポンやめぃ。」

腐男子+ゲームオタクの司くん。

「ひろピーはどう?青ノ葉にも道場あるけど、やっぱそこに入ったりするの?」

「僕もちょっと・・・。あと、ひろピーやめて。」

そして武道経験者の比路くん。

「って、こーらこらこら!青ノ葉は部活動必須だから帰宅部ムリ!二人とも何部に入るか、きちんと決めておこうね。」

「「えー。」」

帰宅部不可なのに二人して帰宅部希望していたものだから、思わず注意した稚空だった。



まず始めは・・・

活動勧誘会に行くものの、入部したい部活がない司と比路。

「アッキーは、どこの部に入るの?」

「オレは文芸部あたりに目星付けてるかな。」

「割と本読んでるもんな、アッキー。」

「ラノベばっかりだけどね。」

そんな二人と違い、稚空は自分が入部したい部活を決めていたようだ。
校舎に到着した三人は、昇降口で上級生に配布された案内用紙を見て、さっそく部活場所の教室を確認する。

「文芸部は図書室らしいね。さっそく向かってみる?」

「いや。最初は家庭科室。」

「え?なぜゆえ家庭科室???」

だが最初の目的地は文芸部の部活場所ではなく、家庭科室。
稚空に連れられて、司と比路の二人もそこへ向かう。



鈴木 明人

家庭科室は家庭科部の部活場所。
するとそこには稚空とよく似た外見の男子生徒が三人を出迎える。

「いらっしゃい稚空。司くんと比路くんは久しぶりだね〜。」

彼の名前は鈴木 明人(すずき あきと)。
青ノ葉学園の三年生。
名字を聞いてお分かりいただけたかもしれないが、明人は稚空のお兄ちゃん。
稚空たちと歳が二つ離れており、稚空の姉と明人は双子の姉弟。

「お茶とお菓子。用意してたから、少し待っててね。」

明人は三人のために用意していた茶菓子を、楽しそうに鼻歌を歌いながら、テーブルに並べていく。
けど、あれ・・・?
家庭科室にいたのは明人、彼一人のみ。
これはいったい、どういうことだろう???



明人お手製お菓子

プレーンのクッキーとチョコチップクッキーに、そしてアールグレイのマドレーヌ。
次々に自信満々な手作りお菓子を並べる明人。

「さぁ。遠慮なく、いっぱい食べてってね。」

「・・・・・・・・・。」

「ん、あれ?みんなして反応悪いけど、どうしたの?」

「あのさ、兄ちゃん。オレら、ついさっき昼メシ食べたばかりだからさ。こんなに出されても・・・ウプ。」

けどお昼ご飯食べた直後に大量のお菓子を見るのは彼ら三人にとって、ちょっときつかったようで揃いに揃って顔を渋く染める。

「え、あれ?ごめんごめん。みんな来るっていうからつい、頑張りすぎちゃった。僕お昼ご飯まだ食べてないし。」

どうやら明人は弟と弟の友達が来ると聞いて、気合を入れて張り切りすぎたようだ。



明人とお手製お菓子 2

「余った分はラッピングしたげるから、部屋に持って帰っていいからね。」

量はともあれ。
明人が作ったお菓子は、どれも自信100%作。
それに以前にも食べさせてもらったことがあるので、とても美味しいことは舌が覚えている。
司はチョコチップのクッキーを。比路はプレーンのクッキーを。
それぞれ一つ、口に運ぶ。

「お。うまい!」

「そこまで甘くないのに美味しい・・・。」

「今日は甘さ控えめに作ってみたんだ。二人とも、どう?気に入ってくれた?」

「「はいッ!」」

「よかった♪」

やはり明人が作ったお菓子は、どれも等しく美味しく、自然に笑顔が溢れる。
でも満腹状態で食べるのは、やっぱり少しキツイ。
どれだけ美味しくても思うように手が進まない。進められなかった。

「もっと食べていいんだよ?」

「ごめんなさい、お腹いっぱいです・・・。」



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