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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#6 ルームメイトの相方(2/2)
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誰・・・?

一方その頃。
自分たちの部屋に帰ってきた司と比路。

「そういやヒロ。忘れ物ってなんだったんだ?」

「クラス委員長のことを、まだ教室にいた本田先生に訊き行ってたの。初めてだから不安で・・・。」

「そっか。そういえばホームルームの後、何も言われないまま終わったもんな。」

「うん。生徒会会議とか、そういうのに出ないといけないとか教えてもらってたんだ。」

二人はこの後にある勧誘会に行くため、制服姿のまま一段落。のんびりと休憩していた。
その数分後。

「イヤッホーイ!」

「「!」」

元気な勢いのまま、部屋のドアを開けた稚空。

「お待たせしやした!梅ちゃんのご登場だよぉん♪」

「「梅、ちゃん・・・?」」

司も比路も知らない男子生徒を一緒に連れてきたのでした。



梅谷 瑞希

稚空に連れられて、司と比路の部屋に訪れた一人の男子生徒。

「は、初めまして。梅谷 瑞希(うめたに みずき)といいます。」

彼の名前は、梅谷 瑞希。
比路より少し身長高いが彼もまた小柄よりな体型で、ひ弱そうに感じる男の子。

「稚空くんと同じ部屋のルームメイトになりました。稚空くんも改めて、よろしくお願いします。」

416号室の寮部屋を使う稚空のルームメイト。
ほんわかと礼儀正しくお辞儀をして、ご挨拶。
ってあれ?
稚空のルームメイトって、確か昨日お休みだった子だよね?
あれあれ?梅谷くんってあれあれ?
今初めて聞いた名前じゃない。
すごく最近、どこかで聞いたことあるような?あれあれ???



梅ちゃん

「ふふーん。予想通りに驚いてるね、お二人さん。」

「ねぇ?『梅ちゃん』って、もしかして・・・。」

はたして彼の名前は、どこで耳にしたのだろう。

「もしかしなくても梅ちゃんは二人と同じB組のクラスなんだって。あ、ちなみに『梅ちゃん』っていうのは、オレがさっき付けた梅ちゃんのあだ名ね。」

「「な、なんだってー!?」」

稚空による梅谷くん。いや、梅ちゃんの話を聞いて驚く司と比路。
何故なら、

「アッキーがまともなあだ名を付けるだなんて信じられないよ!」

「うんうん。全くだな。」

「え?ちょッ!?お二人さん驚いてたのそっち!?」

あだ名を付けるのは得意だがセンスがない稚空が、珍しくしっくりくるニックネームを梅ちゃんに付けていたからだ。
梅谷 瑞希で梅ちゃん。
こうして二人の中でも『梅ちゃん』として定着していくのであった。



同じクラスメイト

「そっか。梅ちゃん俺たちと同じクラスだったのか。あ、紹介遅れたね。俺は森 司。司でいいよ。」

「僕は峰岸 比路。改めてよろしくね梅ちゃん。」

「はいッ。司くんも比路くんもよろしくお願いします!」

司に比路に梅ちゃん。
同じB組クラスメイトの三人がここに揃う。
そんな彼らを見て、羨ましそうな言葉を口にするA組の稚空。

「ちぇ、いいな〜。三人して同じクラスだなんて。なんかオレだけ除け者された気分。」

「でもよかったじゃんアッキー。梅ちゃんみたいな子がルームメイトで。」

「まぁね。」

けど、ほんわか梅ちゃんが自分と同室相手になれて、心底とってもホッとしていた。



食堂ランチ

司に比路に稚空に梅ちゃん。
こうして四人揃った彼らは寮の食堂に向かい、お昼ご飯を一緒に食す。

「え。じゃあ梅ちゃん、やっぱり今日の入学式、間に合わなかったんだ。」

「・・・はい。ボクが寮に着いたのは、ついさっきでしたので。」

梅ちゃんのことをもっと知りたい三人は、本日の昼食メニュー。ハムと玉子とツナのサンドイッチをはむはむ頬張りながら詳しく話を聞く。

「今回が初めてではないので慣れているのですが。それでもやっぱり凄く残念です。・・・楽しみにしてたのに。」

「ん?それって小、中の時も出られなかったってこと?」

「はい。ボク、幼い頃から体があまり丈夫じゃなくて・・・。いつもタイミング悪く体調が崩れてしまうんです。だから入学式外にも大事な行事とか出れたことなくて。」

彼は見た目通り。
自分が病弱な体質であることを素直に告白した。



食堂ランチ 2

食堂でランチ中の四人。
ほのぼのとした雰囲気で、まだまだ雑談が続く。

「梅ちゃん。今は具合、大丈夫なの?」

「はい。もうだいぶ復活してますので。」

「そっか。よかった。」

「梅ちゃん梅ちゃん。梅ちゃんもよかったら部活動の勧誘会。オレらと一緒に行かない?」

梅ちゃんの体調にホッとする三人。
そしてせっかく仲良くなれたので、梅ちゃんも勧誘会に誘う。

「ご、ごめんなさい。ボクこれから職員室に行って、先生方に挨拶だけでも済ませないといけなくて。」

「ありゃ。そいつは残念。」

だが梅ちゃんは自分の用があったため断られてしまう。
四人一緒に行けられなくて残念だけど、そればかりは仕方ないことだった。



それぞれの印象

「本当にごめんなさい。せっかく誘ってくれたのに・・・。ボク、まだ日暮寮長にしか挨拶できてなくて。」

「いいのいいの、気にしないで。ってあれ?梅ちゃん日暮寮長には会ってるんだ?」

「はい。ボクが寮に着いたとき、受け付けてくれたのが日暮寮長だったので。」

日暮寮長は色々と不安要素を覚える人。
入寮式で抱いたそんな印象と、梅ちゃんが抱いた印象が何やら異なっていたのか。

「日暮寮長って、かっこいい人ですよね。」

「あんな人のどの辺が・・・?」

そう梅ちゃんに、つい聞き返した比路だった。



勧誘会へ

「「「「ごちそうさまでした!!!」」」」

昼食を終えた四人は使用した食器類を返却口に片して、食堂を後にする。

「それではボクは、これで。」

「うん。また後でね梅ちゃん。」

「もし早めに終わったら、どこかで合流しようね。」

「あ・・・、はいッ!そうなれたらぜひ、ご一緒させて下さい!」

一人先に寮を出て行く梅ちゃんを見送る三人。

「んじゃあ、俺たちは勧誘会にそろそろ行きますか。」

そして部活動の勧誘会へ。
再び校舎へ向かったのでした。



青ノ葉 第六話をお読みいただきありがとうございます!

401は圭と朋也
416は稚空と梅ちゃん
423は司と比路
一年生組それぞれに寮部屋の相方が揃いました
覚えなくてもテストには出ないので大丈夫です


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