「え。相沢、君?」
その時、幸が味方したのか。 職員会議が終えて帰宅しようとしていた本田先生と藤堂先生が圭を発見。 寮の門限がとっくに過ぎている現在時刻。 今まで圭は誰かと関わってこなかったが、その間も決して寮則は破らず、首席生として相応しいぐらい規則正しく真面目に過ごしていた。 そんな普段からの行いから、彼が脱走とは考えにくい。
「え?え!?どうして相沢くんがここに!?」
「とにかく行って声を掛けましょう。」
だから2人も慌てて駆け寄ると、予想よりも事態は深刻しているのか。
「どうかしましたか?相沢君。」
「柊先生は・・・どちらに?」
「柊先生でしたらまだ、校舎にいらっしゃいますが。」
圭は先生に事情を話す前に、必死な声で叫んだ。
「・・・けて、下さい。」
「え?」
「皆を助けてください!」
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