そうして残った犬飼・桃地の2人と、鬼頭1人。
「よくも小太郎撃ったな。いいのかよ!優等生側のお前がルールに反して。」
「先に反していたのはそっちだろ。」
3人は同じ2年生なのに、普段からあまり仲が良くないのか。 バッタリと遭遇してからずっと互いに、敵対視を高めたまま。 比路や朋也を先に進めさせた理由も、味方や敵とか関係なく。犬飼と桃地と鬼頭同士で用があり、ただ単に邪魔だっただけなのかもしれない。
「犬飼さん自分はまだいけるっす!貴方の手を汚させはしないっす!」
「よせ!小太郎!!」
桃地はどこまで犬飼を慕っているのだろう。 ついさっき鬼頭に撃たれたばかりだというのに、犬飼の言葉も聞かずに真っ向から向かって行く。 しかし、
「ッ!?」
1手も2手も鬼頭のが上手。 水鉄砲を使わず拳で殴りかかっても、躱されてばかり。 桃地の動きは完全に読まれていたのだ。
「・・・・・・。」
|