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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#47 青ノ葉 学寮戦 (4)(3/4)
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マイナスじゃないだけマシ?

一方、そのころ。
比路と朋也・犬飼・桃地の4人組は、

「ぎゃああ!犬飼が撃ってきたー!」

「2年まで撃つとか正気か?とにかく一旦引け!アイツに関わるとロクなこと起きないから逃げろー!」

「ふん。言ってろ。」

犬飼と桃地の同学年裏切り行為により、圧勝。
水鉄砲の水が交差していた2年との混戦を2人のおかげ。犬飼大活躍のおかげで切り抜く。

「どうっすか!?峰岸くんも後藤くんも。犬飼さん凄いっすよね!?」

よって桃地は過剰に熱して少々興奮気味。
この気持ちを。
この思いを。
比路や朋也と共有させようとする。しかし、

「どう思う?朋也。」

「・・・別に普通。」

「だよね。だから?って感じ。」

失敗!
2人して冷めた感想を述べ、犬飼・桃地がどれだけ頑張っても、プラマイゼロなリアクションだった。

「お前らほんと、可愛くねえ1年だな。」



比路と犬飼

「だって何も凄くないでしょ。2年からあんたら見たら、ただ裏切ってるだけだし。」

「裏切るも何も、はなから仲間とも思ってねえから。裏切りでもなんでもねーよ。」

「あんたの理論はどうでもいいの。僕はルール上のことを言ってるの。」

そんな中でも比路と犬飼は、意外とウマが合ってるのか合っていないのか。
ちょっと目を離しても離さなくても言い合い勃発。

「うるせーな。お前1年のくせに年上に向かって『あんた』はやめろよ。オレが言うのも何だけど、敬う気持ちとかねーのかよ。」

「あんたにはない。」

「んだとこの野郎ッ!」

一触即発モードが直ぐにでも発動するので、

「犬飼さん、どおどお。」

「峰岸もストップ。」

その度に朋也と桃地が間に入り、「やめましょうね」と、平和的に仲裁させるのでした。



1年2人も2年2人に衰えず

けど比路・朋也の2人も、犬飼・桃地に衰えておらずまだまだ負けていない。
朋也はヘッド的中でワンショットワンキルで、絶賛絶好調。

「後藤くんも、やるっすね。」

「・・・ども。」

比路は水鉄砲を当てられないので避けて接近に持ち込み、背後からクリンチ。相手の動きを抱きついて身動きを封じ、3人の誰かに撃破してもらっていた。

「お前いい加減、自分でとどめさせよ。それぐらいの距離までつめたら外さねえだろ。」

「仕方ないでしょ。人の手から離れた武器使うの苦手なんだから。この距離でも不安なの!」

そして4人の目的は一緒。
犬飼の直感を頼りに、久野がいそうな場所を向かう。

「峰岸。ちょっと落ち着け?ちょいちょい危なっかしいから。」

「克也が相手だからかな?なんか気が焦っちゃって。」



青ノ葉学生寮はなかなか広い

しかし階数を下に降りても久野の姿どころか気配を察せれない。

「学生寮って、こう回ると結構広いんだね。どこかでアッキーたちと遭遇するかなって思ってたのに、あれから全然会わないや。」

「だからよく寮長がやるイベントは、ほぼ寮で開催されること多いっす。」

「マジか・・・。」

「まっ。クソ寮長の気まぐれに付き合うのも暇潰しにいいしな。」

なので今度は別の階段から。
大きな窓の向こうにいる月を眺めながら、上の階へと向かっていく。

「ところでこっちの方向で本当にあってるの?間違ってない?あんたの直感。」

「なッ!?」

「峰岸くん。犬飼さんの直感は間違いないっすから。犬飼さんをバカにしたら自分が許さないっすよ!」



実力者の化け物

その途中。

「え?」

「小太郎!?」

パシュンッと聞こえた音。
気が付くと桃地だけ濡れており、誰かに撃たれた模様。

「冷たいだけなので平気っす。これ、まだアウトじゃないっすよね?」

いったい誰が桃地を撃ったのか。
水が飛んできた方向を見ると、階段の踊り場に鬼頭の姿が。

「・・・・・・。」

「冥、先輩?」

無表情で何も語らない鬼頭。
眉をピクリとも動かさすことなく、こちらを上から見下ろしている。
彼は一体、ここまでで何人の生徒を葬ってきたのだろうか。
実力者の化け物と言われても過言ではないほど、このレクリエーション中、とんでもない数を叩き出していた。

「・・・・・・。」



比路vs鬼頭

司を救出するのには。
久野に追い付くのには。
まずこの場を。鬼頭を突破しないと不可能に終わってしまうお話。
彼がどれだけの実力者であっても、引いてはいけない。
背中を向けて退いた日には、それこそ撃たれておしまいだ。

「朋也。援護お願い!」

「おう。」

なので比路は先手必勝の手を。
朋也に手助けを要求し早々に行動移し、背後に回ろうと横切った。そのとき、

「・・・克也なら、上。」

「え?」

鬼頭は目線だけを一瞬こっちに向けて誘導を。

「克也なら上のいる。・・・行けよ。今は見逃してやるから。」

比路を久野の元へと行かせようとする。



敬う人とそうじゃない人の差

鬼頭情報によると、司と久野はこの階段の上にいるらしい。

「さっさと行けよ。行かないなら撃つ。」

言葉通り、本当に見逃すつもりなのか。
それともフェイクなのか。
敵である彼を、そう簡単に信じていいものだろうか。
すると、

「行けよ。ここはオレらで何とかするから。」

今は味方である犬飼も、2人をこの先へ行かせようとしてきた。
よく見ると犬飼と鬼頭は、互いに標的を定め睨み合いを止めない。
そんな状況を察した2人。

「峰岸。森のところへ急ごう。」

「・・・うん。ありがとうございます冥先輩。このご恩は必ず!」

鬼頭にだけペコリと頭を下げて、誘導されるがまま。この先へと向かっていった。

「オイ。オレにも何か言ってけや!」



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