他に生き残ってる1年生は少ないのだろうか。 追ってくる上級生の数が増えてきて、離れた距離から水が飛んでくる。 その度に稚空や恭が圭の盾になって、彼だけは濡らさせないよう、かばい続けた。
「くそっ!このままじゃヤバイな。」
「1年を何人やっても全滅にならないから片っ端から潰してるのかもね。」
ある程度、濡れたらアウトがこの学寮戦のルール。 このままでは直ぐに限りがやってきてしまう。
「キョン。そいつを、お願い。」
だから、
「あんまり体力ないから割りと限界で・・・。オレも足手まといになるぐらいなら、ここで時間を稼いでいたいから。だからキョンはそいつを連れてって。」
「何諦めたこと言ってんだ!稚空もオレらと一緒に!」
「キョン、オレは相談してるんじゃないの。時間ないんだから早く先に行って!」
逃げるチャンスを作るのには、やはり1つの犠牲が必要なのか。 恭と圭を逃がすために、今度は稚空が上級生たちを阻む。
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