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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#46 青ノ葉 学寮戦 (3)(3/3)
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颯太・瑛vs明人・華澄 4

どんな戦いでも、決着は一瞬で終わってしまうもの。

「華澄先輩。これでゲームオーバ、だよ。」

梅ちゃんの仇を討つため、華澄だけに狙いを定めた颯太。
瑛が明人を相手してくれたおかげで2対2から1対1へと持っていけれた初手のうちに。
まさに一球入魂と言わんばかりに持っていた水鉄砲をビュッと投げつけたのだ。

「ッ!?」

水を補充するための注ぎ口の蓋をあけたままにさせて。

「冷たッ!うわ・・・、これ開いてたんだ。」

「えっへへ〜。絶体絶命からの一撃必殺、大成功だね。水、結構残してて良かった。」

おかげで華澄は避ける間もなくバシャッと当たり、胸から下にかけてほぼ濡れてしまい、戦闘不能のゲームオーバとなった。

「まさか本当に仇討たれるなんて思わなかったな。」


[華澄 輝夜 戦闘不能]




隙が生まれた瞬間に

けれどルールに基づけば、颯太もほぼアウト。
これで戦える術がなくなってしまう。

「佐藤くんだっけ?いいのかな。そんなのしちゃって。キミの武器、これでなくなっちゃたよ。」

「いいよ、別に。さっきも言ったでしょ。一矢を報えるのならボクは構わないって。」

でも目標は達成出来たから。
それを受け入れたように、彼は笑顔を見せた。その途端、

「颯太っ!」

無惨にも、この隙を狙われたのだろう。
華澄の目の前で、瑛に呼ばれた声も虚しく響き、颯太も横から撃たれてゲームオーバとなった。


[佐藤 颯太 戦闘不能]




乱入者

「佐藤くん大丈夫!?」

「うぅぅ、冷たい・・・。」

華澄に続いて、瞬く間に撃たれた颯太。
けれど止めを刺したのは明人ではなかった。
何せ明人は颯太を撃った2年の男子生徒、

「死人が喋んな。さっさと逝くべき場所に還れ。」

「鬼頭・・・くん?」

偶然にも遭遇し乱入してきた鬼頭に、水鉄砲の銃口を頭に付けられて身動きが出来ずにいたから。

「何かの冗談、だよね?こんな真似。」

「鈴木先輩。永瀬会長は?」

先輩に対しても後輩に対しても躊躇いがない鬼頭。

「・・・一緒じゃないんですか。」

「めぐなら僕も知らないよ。始まってから会ってもいないから。」

「そうですか。」

自分の目的がここにないと分かれば戸惑いもなく、こんな至近距離から明人とそして瑛を撃ち落としたのだった。


[鈴木 明人 戦闘不能]

[古河 瑛 戦闘不能]




味方だと強い男

「ああぁぁぁ。なんてえげつのない・・・!」

「ね。冥は味方だと心強いだろ。」

そんな鬼頭を追って、後からゆっくりやって来たのは久野と司。
華澄も颯太も明人も瑛も皆、鬼頭がやったのか。
水浸しになった4人は速やかにオープンスペースへと向かっていく後ろ姿を見送った。

「克也。永瀬会長、違うとこいる。」

「みたいだね。可能性としては有りだと思ったんだけどな。」

そして久野と鬼頭は、永瀬を捜しているのか。
葬った相手のことなど一切気にすることなく、次の目的地へと向かう。

「克兄ちゃん。なんで俺は生かされてるの?」

「それは秘密。比路が俺らに追いつけれたら、ちゃんと帰すから安心して。」

「・・・全然安心なんて、できないよ。」



生存者 確認メモ


一年生・・・6名
司 比路 朋也 稚空 圭 恭
(戦闘不能)梅ちゃん 颯太 瑛

二年生・・・4名
久野 犬飼 桃地 鬼頭
(不参加)矢口

三年生・・・2名
永瀬 小町
(戦闘不能)明人 華澄
(不参加)黒崎



青ノ葉 第46話をお読みいただきありがとうございます

学寮戦は全4話の構成が、いろいろ組み入れたかったので
入れていたら予定がめちゃくちゃになりました(汗)
おかげで2017年内で終わらせることが出来ず

いろいろと詰まった中でやっと本編更新できました
今年もどうぞよろしくお願い致します!


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