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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#46 青ノ葉 学寮戦 (3)(2/3)
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2年前の学寮戦

それはもう一方、稚空・圭・颯太・瑛・恭も同じ。

「あ。やっぱり稚空こっちに来たんだ。」

「げげ!?兄ちゃん!」

チロ先生に助けを呼びに向かう先の途中で、今度はなんと明人と遭遇。
ばったりと出会ってしまう。

「どう?みんな。交流会、楽しんでる?」

「どうもこうもないよ!もうめちゃくちゃだよ!」

「えー。そこは郷に入れられた以上は従って楽しもうよ。せっかくのイベントなんだから。」

けれど現在、明人は1人でいる。
彼1人だけなら、まだこちらに勝機ありそうだ。

「とは言え、僕らも1年のころは稚空たちみたいにパニクったっけ?何も知らされずにいきなり始められて・・・。暴れすぎた結果、トイレ一箇所壊れちゃって。」

「トイレ壊すほどの学寮戦って何!?どんなことしてたのさ!」



明人と華澄で挟み撃ち

しかしその時、

「ところで兄ちゃんは、ここで何してたのさ。」

「何って決まってるじゃない。みんなを待ってたんだよ。さっき『やっぱり』って言ったでしょ?ここで稚空たちを捕まえておけば・・・。」

「挟み撃ちに出来るってね。俺があきに言っておいたの。作戦、大成功だね。」

「!?」

後方から輝夜がやって来て、あっという間に追いつかれてしまった。
それはイコール梅ちゃんが作ってくれたせっかくのチャンスをふいにさせたということ。
こんな非日常化した中で明人があまりにもいつも通りだったから、その雰囲気に流されていたんだ・・・。

「じゃあ梅公は!?」

「梅谷くんは勇敢だったよ。ここにいる誰よりも、本当に・・・。」

自分の兄と呑気に話してる場合ではなかったんだ。
その失態に気づいた時には、まんまと2人の罠にハメられいたことを知らされる。

「梅ちゃん・・・っ。」

梅ちゃんが華澄に敗れたことも一緒に。


[梅谷 瑞希 戦闘不能]




チャンスを作るのには

前には明人。
後ろは華澄。
3年の2人に挟み撃ちされた稚空ら5人。

「梅谷くん1人でオープンスペース行かせちゃうのって可哀想だと思わない?友達に寂しい思いさせてないで一緒に行きなよ。」

「梅ちゃんを葬った人が何言ってんの!?」

さっきまでの勝機は幻へと変わってしまったのか。
絶体絶命に陥る。・・・かと、思いきや。

「じゃあ今度はボクが相手だよ、先輩たち。」

「颯太!?」

逃げるチャンスを作るのには、1つの犠牲が必要となるのか。
今度は颯太が前に出て来た。



二番煎じの最良手?

「そうちゃんなんで?」

「だってこれしか方法なさそうだもの、梅谷くんの二番煎じになるけど。あと、そうちゃん禁止だってば。」

それは彼も戦闘不能になる覚悟が出来ているのか。
あちらには聞こえない声で、稚空たちに言葉を残す。

「相沢くんをよろしくね。みんなの委員長なんだから、ちゃんと守らなくちゃダメだよ。」

まるでそれを託すかのように。
けれどこのまま颯太1人では、不利のまま。

「手加減しないけど大丈夫?こっちは2人いるのに、1人で残っちゃって。」

「俺も残れば颯太1人にはならないだろ。」

「瑛くん!」

なので、そうならないように。
颯太の隣に瑛が立ち、彼も明人・華澄たちに挑む。



颯太・瑛vs明人・華澄

「ほら。俺と颯太で隙作るから、その間に逃げろ。」

「てるりん・・・。」

「だからてるりんやめろって。」

颯太・瑛vs明人・華澄の一戦が、瞬く間に開幕。

「ありがとう。瑛くんも残ってくれるなら心強いよ。」

「まあ運動部の先輩らと当たるよりは、勝ち目ありそうだし。」

「あ、ちょっとムカ。」

そのおかげで出来た隙に、この場から逃れた稚空・圭・恭の3人。
後ろ髪を引かれながらも、ただ前を見て。学生寮の一階を目指して走り続ける。
仲間をどんどん犠牲にして・・・。

「古河くんだっけ?文系部もあまりなめない方がいいよ。特に演劇部は。」



颯太・瑛vs明人・華澄 2

「さて、と。どうする?どうやってこの2人を突破する?」

「瑛くんは鈴木先輩任せていい?」

開幕された颯太・瑛vs明人・華澄の2対2。
颯太は何か策があるのか。
限られた短い時間の中で、それを瑛に伝える。

「せっかく席がお隣同士になったんだもん。梅谷くんの仇、ボクがとりたいから。」

「・・・分かった。」

「あと、よろしくね。」

颯太は顔色を穏やかに染めながら、決死な覚悟で気持ちを固ませた。
けれどそれは作戦と言える内容なのだろうか。
あとを託された瑛は察して頷き、そんな彼を見ないようにする。

「簡単にやられたりするなよ。」

「瑛くんが、ね。」



颯太・瑛vs明人・華澄 3

「運命に抗ったら抗っただけ苦しい思いするんだし、ここで俺らに素直に倒された方が賢明じゃない?」

撃たれる覚悟がある者のみに許された撃てる権利は先輩も後輩も一緒。

「輝夜。悪役を気取るのはいいけど、油断しないでね。」

「どう転んでも1年の敵である現状は変えられないし、せっかくだから。けど悪っていいよね。独特な美学感じるよ。」

そして華澄がノってきたのか。
悪役に徹して2人の前に立ちはだかる壁となる。

「抗ってやるよ、そんなもの。運命という勝手な言葉で決めつけられたくないからな。」

「ボクはいいよ、それが運命でも。一矢を報うことが出来るのなら、それで構わない。」

颯太も瑛も口にしたことは異なっているが、2人ともその壁に恐れず立ち向かって行った。



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