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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#45 青ノ葉 学寮戦 (2)(2/3)
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さっそくお出まし

その一方。
一年生の寮生長、圭を守る防衛組の稚空、梅ちゃん、颯太、瑛、恭の6人はというと。

「オレたちはなるべく早くチロ先生を呼んで来てもらおう。」

さっさとチロ先生を呼びに行く作戦に出た。
けれど今、迂闊に階段を下りると混戦してる上級生同士の標的が自分らに変わるだけ。
だからスタート位置となった401号室からあまり動かずにいた。

「瑛くん、そっちお願い!」

「任せろ。」

それでもやってくる上級生から1人ずつ応戦していたが、

「んっふふー。さっそく会っちゃったね。」

さっそく華澄がこちらにやってきて出会ってしまった。



華澄vs圭防衛組

「華澄先輩、なんでコッチに来てんの!」

「えー。稚空にさっきメッセージ送ったじゃない。予告通りに最初は一年を潰しに来ただけだよ。ん、あれ?峰岸くんひょっとしていない?」

いきなり華澄との遭遇。
あちらは普段通りに、余裕な表情をしている。

「ひろピーならいないよ。オレらとは別行動。兄ちゃんにも教えたけど、ひろピー寮生長じゃないから倒しても一年は全滅しないよ。」

「うんうん。でもラッキー。ちょうどそこに相沢くんはいるね。確か彼も委員長だったよね?A組の。だから試しに撃たせてよ。違ったらC組の委員長に狙いを定めさせたいだけだからさ。」

「ダメダメダメ。やらせられないよ!そんなお試し!」

けれど狙いは一年生の寮生長一択。
さっさと一年生を全滅させて、二年生との対決に移行するつもりだ。

「ちなみに俺ら三年の寮生長は最強だよ。」



勇敢or無謀

そんな時、だった。

「稚空くん。皆さんを連れて、ここから逃げて下さい。」

「うぇえ!?梅ちゃん!?」

稚空の前に梅ちゃんが立ちはだかり、先ほどの司のように今度は彼が防ぐ壁となろうとしていた。
けれどその行動は、勇敢なのか無謀なのか。
小柄で病弱な梅ちゃんに、果たしてその役は適任しているのだろうか。
不安を隠せれないのが正直の意見だ。

「ダメだよ、梅ちゃん。下がって!」

それでもそんな彼にだって譲れないモノがある。

「ボクの体は、いつまで持つのか。ボクでも今回は分かりません。けれど時間が経つにつれて、お荷物になりえるのが目に見えてます。なので今のうちにボクを切り捨てて下さい。」

譲れないから、何を言われてもそこから退かない。
自分の体は、自分が一番よく知っているから。

「今ならまだ動けられます。どうかこんなボクを、ほんの少しでもいいので皆さんのお役に立たせて下さい。」

ここで華澄と一戦を交えようとしていた。

「ボクには分かります。通常であれば、この場にボクは立ててないどころか、参加すら出来なかったはずですから。」

「梅ちゃん・・・。」



梅ちゃんvs華澄

そんな彼の意思を無駄にさせてはならない。
苦渋の決断の末。

「行くよ!みんな!」

稚空の指示で、稚空含めた他5人はこの場から去って行った。
よってこの場に残ったのは、梅ちゃんと華澄の2人だけ。
華澄もこんな展開になると思っていなかった模様。

「まさか梅谷くんが残ると思ってなかった・・・。」

余裕だった顔色を曇らせる。
勇敢か無謀か分からない梅ちゃんの姿に、彼までも不安を抱いていたようだ。

「この間のチーム戦の時も思ったけど、キミは本当見かけによらず好戦的なんだね。」

「嬉しいです。お褒めに頂けて。」



梅ちゃんvs華澄 2

「どちらかと言うと、みんながやられていく中でも守られて最後まで、生き残ってそうなイメージだったのに。」

「お断りします、そんなラスト。それならボクも皆さんと共に散ることを選びます。」

梅ちゃんの口から発される言の葉に意外性を覚える華澄。

「・・・一回だけ。一回だけなら見逃してもいいんだよ。稚空たちならまだいいんだけど、さすがに俺、梅谷くんみたいな子と戦えないかな。」

一年生を潰す気で真っ先に来たくせに、梅ちゃんが相手となった結果、戦意が喪失しているようだ。
だがしかし、

「・・・・・・・・・。」

「冷っ!?」

それは梅ちゃん側が拒否。

「ボクと戦う気がないのなら、ここで大人しくボクにやられて下さい。ここを通りたければ、ボクを倒してからにして下さい。」

自分を軽視した罰として、躊躇いなく撃った水鉄砲が華澄の片足を濡らす。



梅ちゃんvs華澄 3

本気でいる相手を甘く見るだなんて、それは相手にとってとてもとても失礼なこと。

「ごめんごめん。キミをナメた俺が悪かった。どうしても・・・、なんだね?」

「はい。」

「これ。この水鉄砲、結構冷たいよ。」

「構いません。」

華澄はそう何度も梅ちゃんから本気を確かめて、失っていた戦意を改め直す。

「・・・分かった。なら俺は梅谷くんを倒してから、先に進むことにするよ。後悔しないでね。」

「しませんよ。むしろ望むところの恨むっこなしです。かかって来て下さい華澄先輩!」

そうして梅ちゃんvs華澄の対決のゴングは、ようやく開始の合図を鳴らした。



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