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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#44 青ノ葉 学寮戦 (1)(4/4)
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朋也は比路と

「峰岸がそう決めたなら、話は早いな。」

比路の次に立ち上がったのが、朋也。
武器である水鉄砲をしっかりと装備した。

「朋也、ついてきてくれるの?」

「ああ。やっとあの時の借りを返せる時が来たようだからな。」

「貸した記憶はないけれど、でもありがとう。」

「・・・ん。」

比路と朋也の司救出隊は少数精鋭作戦として、2人チームを組む。

「つかポンのことは、ひろピーたちに任せよう。」

「だからアッキー。ひろピーは・・・。」



一年の寮生長

「オレたちはどうするんだ?稚空。オレらのリーダーとして、何か考えないか?」

残ったメンバーは別の作戦を。
稚空を中心にさせて話し合いを続ける。

「オレらが勝つには少なくても、一年が全滅するわけにはいかない。追加ルールであった寮生長がやられないようにしないとね。」

「なるほど。ボクらは防衛戦になるわけか。」

「みなさんがやられない為にも先ずはそこからですね。」

そして一年寮生長防衛作戦が組み立てられて行く。

「ところで俺らの寮生長って峰岸じゃないなら結局、誰?」

「これだけいて一年の代表を、誰も知らないっていうのも変な話だな。」

すると、ここらでようやく彼が話し合いに参加。

「僕だけど。」

「「「「「「「え。」」」」」」」

「だから僕だけど?一年の寮生長。」

圭がこの場で静かにそう言葉にする。
一年生の寮生長は自分であることを暴露した。



一年の寮生長 2

「相沢くんがボクらの寮生長だったんですね!?」

「そっか。よくよく考えれば相沢くん入学式の時、ボクらの代表で壇上にいたもんね。」

「なるほどな!それならそうとさっさと言えよ。んでもって圭もちゃんと話し合いに参加しろ。オレら仲間だろうが。」

一年生の寮生長は、相沢 圭。
首席合格した彼が入学式の日に一年生の代表として壇上に上がった結果、そのままその日のうちに寮生長として、ストレートに日暮寮長から任命されたらしい。
今まで誰も知らなかったのは、きっと圭自身が興味示さないから。
誰にも関わってこなかったから、誰かにそれを話す機会なんて当然あるわけがなかった。

「「・・・・・・・・・。」」

しかもクラスメイトともあまり仲良くしてなかったおかげで、稚空と瑛が止まる。
言葉を発さなかったが『こいつ守らなければいけばいの?』という目で見てしまう。

「仲間?烏合の衆と何か勘違いしてない?」

そして圭のその発言により、より悪化。
一致させようとしていた団結の空気が悪くなってしまう。



バカしかいないバカ集団

「うごう?ー・・・って、なんだ?」

「烏合の衆。要はコイツ、オレらのことバカにしてるってことだよキョン。」

「・・・オレからしたら稚空のがバカにしてそうだけどな。だからキョンやめろって。」

「一緒にしないでくれる?オレは毎度ちゃんと愛情込めてるし、少なくてもバカにした記憶は一度もございません。」

けれど圭の意見に賛同した人がもう1人。

「相沢の言うこと、何も違わなくねえだろ。お前ら何かにつけてすーーーぐ騒ぎ起こすし煩いし。」

「瑛くん・・・。」

今までの騒ぎに巻き込まれてきた瑛が、それを認める。
まあまあと颯太が宥めて、この空気を悪くさせないようにフォローフォロー。



始まりが始まる前に

『開始まで1分切った。あとは俺が数えるから、19時ジャストで全員一斉に始めてくれ。』

こんなまとまりのないチームワークでも、もう直ぐ始まる青ノ葉学生寮・春の交流会。
日暮寮長の放送が再び入り、始まりが始まるまでのカウントダウンをし始めた。

「とにかくここでオレらが揉めたって、何も変わらないし得れるものはない。圭がやられたらオレらだって終わっちまうんだ。」

「そうだね。澤村くんの言うとおり、ボクらは相沢くんを防衛しないと。」

「バカしかいない集まりとはいえ、これも何かの縁か。ここまできた以上は俺も覚悟決めないとな。」

「力を合わせて頑張りましょう。ボクらが少しでも生き残っていられるように。」

圭の防衛組は、稚空、梅ちゃん、颯太、瑛、恭の6人。
司の救出隊は、比路と朋也の2人。

「アッキー。そっちよろしくね。」

「うん。お二人さんも気を付けて。」

比路と稚空が拳をコンッとぶつけて、男同士の約束を交わす。
そしてお互いの武運を祈りながら、寮長のカウントが0になってしまう前に、この部屋から後にした。



逃がさせたその頃で

その一方で司はというと、

「意外だね。司が来るなんて思わなかった。」

「克にーちゃんこそ何してんのさ!?」

「でもこれで一年も少しはマジになれたよね?司のおかげもあって。」

みんなが何処かへ走る去った後も、久野の前に立ちふさがって、これ以上先に行かせないようにしていた。
けれど久野はそれに動じないどころか、去った6人を追う気がない。

「けど俺の目的は別にあるんだ。だから司が捕まるのは俺にとって好都合だな。」

「克也、いつまでそこにいるつもりだ?・・・行くぞ。」

「待ったせちゃってごめん冥。じゃ司も俺たちと一緒に行こうか。」

「え!?」

むしろ司を人質としてゲット出来て、少し嬉しそう?
自分を迎えにきた鬼頭と一緒に司も連れて、寮内の何処かへと向かって行った。



青ノ葉学生寮・交流会 開幕

これはたった二時間に過ぎない束の間の話。

「準備はいいか?野郎ども。」

何の前触れもなく日常が壊され、誰もが非日常に踏み入れさせられた青ノ葉学生寮の交流会。春の学年対抗レクリエーションの始まり。

「青ノ葉学生寮・交流会。宴の始まりだ!!」

時計はついに19時を指し、日暮寮長の合図によって賽が投げられたのでした。



生存者 確認メモ

一年生・・・9名
司 比路 朋也 稚空 梅ちゃん
圭 颯太 瑛 恭

二年生・・・4名
久野 犬飼 桃地 鬼頭
(不参加)矢口

三年生・・・4名
永瀬 明人 小町 華澄
(不参加)黒崎



青ノ葉 第44話をお読みいただきありがとうございます

始まりました青ノ葉学生寮・学年対抗交流戦
せっかくメンバーも増えてきましたし
せっかく学園モノを書いてるわけなので
せっかくなのでやってみました

ぶっちゃけ書いてる身としては既にすごく楽しい

年内いっぱいまで続く(予定)長編なので
いろんなキャラの見せ場を作れたらいいな・・・
むしろ作りたくてワザと長くしたので
年内いっぱいまで彼らのはっちゃけぶりに
お付き合いくださいませ


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