が。
「わ!?ヒロ、ストップー!」
そんな比路を見て、咄嗟に動いた司。 桃地が助けを求めた誰かの代わりに、絡んでいた桃地の前に立ち庇う。 おかげで寸前のところで比路の蹴りは止まり、誰も喰らわずに済んだが一体何事?
「こら!ヒロ!コタ先輩に、いきなり何してんのさ!」
「何してんのは、こっちの台詞!何で司がコイツと一緒にいるのさ!?」
どうやら比路は、司と桃地が一緒にいたことに凄くご立腹。 桃地にビシッと人差し指を指し、二年の先輩に対してコイツ呼ばわり。敬意が一切ない代わりに、めちゃくちゃな敵意を示す。
「だってコイツなんだよ!朋也と僕をハメた二年のバカ連中の1人!園芸部を荒らしたのもコイツらの仕業!司だってまだ忘れたわけじゃないでしょ?なんでそんな奴と司が一緒にいるの!?」
「え・・・。コタ先輩が?」
園芸部が二年の不良軍団に荒らされた話は司ももちろん知っている。 朋也との悶着騒ぎに比路が巻き込まれていったのも、まだ忘れたわけじゃない。 けどそのうちの1人が桃地だとは思ってなかったのだろう。
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