司にもっと興味を持ってもらおうと。 永瀬は司を連れて、実際にその現場へと向かう。
「あ・・・。」
するとそこには紹介された通りに、植えられたばかりの苗があった。 ぱっと見、ただの草。どれがどの野菜の葉っぱなのか、詳しくないから全然分からない。 でもそこから美味しく育てて、明人に美味しく作って貰えるなら、今からでもワクワクしてくる。 しかし今日の水やりや草取りは終わった後の模様。司がやれそうなことがなかった。
「コタくん、きたあとだったんだ・・・。」
「『コタくん』???」
それを見て、しょんぼりする永瀬。
「うん。にねんせいの『ももち こたろう』くんっていってね。コタくんは、おなじえんげいぶのこ。」
落ち込んだ理由は、司がやれなかったことではない。 畑の仕事が既に終わっていたことに凹んでしまう。
|