そして静まり返る一瞬の沈黙。 もちろん一秒よりは長いだんまりだけど一分より短くて、短いくせに長く感じた。
「・・・誰にも、言っちゃダメ、だよ。」
その静かだった間を解いたのは比路。 引き寄せられた腕の中で、司の服を掴む手はとても強く握っていた。
「朋也にアッキー。梅ちゃんに圭に颯太や瑛、恭や他の一年にも・・・、だよ。」
「分かった、分かった。」
必死に司へ言いつける比路。
「それから克也や冥先輩に不良のバカ連中。めぐる先輩や明人兄に豊部長とか二年や三年の先輩たち。あと本田先生や藤堂先生、チロ先生に他の先生、日暮寮長にも絶対に言っちゃダメだから・・・ね。」
「分かったから。絶対に言わないって。約束するから。」
それはもう必死の必死。物凄く必死。
「絶対に、誰にも言っちゃ・・・ヤだよ。」
「もー、分かったってば。」
どんどん口調が弱々しくなっていきながらも、司と二人だけの秘密を作った。
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