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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#40 青ノ葉 思懐郷(Epilogue)(2/4)
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上の段で寝る感想

「どう?こっちで寝る感想は?」

「横になるとあんまり変わらないかも。」

「やっぱり?」

「あ。でも、天井見ながら寝るのって久しぶりな気がする。」

昨夜のこともあるから、今日はどちらかと言えば一人で寝たかった。
薬の効果は信じているけれど、万が一のもしもを考えると、その時に司を起こしてしまうかもしれない。
だから比路は司が寝たら自分のベッドに戻ろうと。彼が先に寝ることを待つことにした。

「そういや帰省ぶり?こうやってヒロすけと寝るの。」

「そういえば、そうだね。そうなっちゃうね。」



作者も赤味噌派だけど合わせ好き

「味噌汁って、さ。あるじゃん?」

「うん?え、いきなり何?味噌汁?」

「うん、味噌汁。味噌でもいいや。」

現在は就寝時間を迎えた時刻なので、色々と配慮をしてうるさくならない程度に静かに話し合う司と比路。

「寮のご飯で出てくる味噌汁って、合わせばっかりなんだよな・・・。」

「うーん。そうなの?」

「この間、帰省したとき。久しぶりに赤味噌の味噌汁飲んでさ。俺、改めて赤味噌派なんだな〜って実感した。合わせも美味いんだけど、ちょっと何かが物足りないんだよね。」

「僕は別に何でもいいかな。だから司のこだわりがよく分からない。」

「えー。そこはこだわろうよ。きっとアッキーや明人兄、克にーちゃんだって赤味噌派だって。って、そんなこと言ってたら本当に飲みたくなってきちゃった、赤味噌の味噌汁。」

一つのベッドで肩を並べて天井を見つめる司と比路。
中身があるようでない二人の会話。

「なら寮長に頼んでみたら?ここの献立作ってるの寮長だって聞いたから。もしかしたら入れてくれるかもしれないよ。」

「いや。俺が飲みたいのは赤は赤でも家の味噌汁だから。さすがに再現は無理っしょ。エノキと油揚げと小ねぎが入った赤の味噌汁、超飲みたい。」

それはさっき少しだけ余所余所しかった二人が、いつもの二人へ戻ったかのように、いつもと変わらない雰囲気が漂う。



・・・も

「あ〜・・・、こんなこと言ってたらホームシックになってきそう・・・。」

他愛のない話から、お家の味噌汁を恋しがり始めた司。
足をパタパタとバタつかせていたかと思えば、シオシオと萎れていくかのようにパタッと止まって静かになる。

「ホーム、シック・・・?」

「うん、ホームシック。ただでさえ最近ダルくてやる気出ないのに。」

そんな司から出た単語。
それが妙に気になった比路は、こう口にした。

「ひょっとして・・・、司も寂しかったりするの?」

と。

「・・・も?」

「え。」

「今、もって言ったよね?俺もって言ったよな。なに?ヒロくん、やっぱり寂しくなっちゃったの?」

「え!?や、違・・・っ!」

稀に出る癖がそこで出てしまい、自分で自分の首を絞めさせて、寝る時間なのに朝飯前のように、司に見抜かれてしまう。



否定ではなく

「墓穴乙ー☆」

「違うよ・・・っ、司。それは、違う。」

しかし頑なにそれを否定する比路。

「そんなことないよ。僕だって、高校生になったわけだし、そんな・・・こと、思うわけ。」

「言い訳は以上?気が済むまで言いたいのなら、それでもいいけど否定しても無駄だって。バレバレなんだから。」

でもそれは否定ではなく言い訳。

「ぼ、僕のことはともかく。それより・・・。」

この話題から逃れるかのように、サッと違う話へ切り替えようとした。
けど司は、そうやって片意地張る彼を流そうとしなかった。

「・・・ヒロ。いくらなんでも俺にまで隠す必要なくない?」



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