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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#38 青ノ葉 思懐郷(2)(4/4)
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決まった勝敗

ところ戻って、2チームの対戦の勝敗が決まったようだ。

「やりました!ボク、恭くんに勝ちました!」

「・・・痺れまくるし、毒くらうし、ロクに近づくことすら出来なかった。大砲怖ぇえ。」

先ずは梅ちゃんvs恭。
梅ちゃんの素晴らしいランチャーテクニックにより快勝。
二重の状態異常に攻撃するチャンスが生まれなかった恭は瞬く間に撃沈したようだ。

「梅ちゃん見てたけど、やっぱ状態異常って強いね。俺もおかげで朋也に勝てそうだよ。」

「・・・いいから早く倒してくれ。」

「いやいや一緒に見てようよ?朋也がじわじわ死に向かって行く姿を。」

そして司vs朋也。
梅ちゃんの動きを参照にした司が詠唱した魔法で朋也を捕らえ、麻痺+猛毒+混乱+暗視+沈黙+石化+呪縛等々の状態異常を重ねに重ねた意地悪戦法。
おかげで朋也の反撃の余地がないまま状態異常からくる追加ダメージだけでライフが削られていく。
ので朋也は白旗を上げて降参し、司の勝ちとなった。



決まった勝敗 2

っというわけで、罰ゲームは朋也と恭に決定!

「ではでは恭くん。『肩揉み』お願いしてもいいですか?」

「お安い御用だ。こう見えてもオレ、師匠にも褒められたことあるからマッサージ上手いんだぜ。」

「梅ちゃんらしい罰ゲームだね。でもちょっとジジくさくない?」

恭は梅ちゃんの。

「それじゃあ朋也、ジュース買ってきて。俺、グレープフルーツの炭酸ね。もちろん朋也のお財布からお金よろしく。」

「・・・くそ。」

「やっぱりつかポンはパシリの刑か。ひろピーが前にやってきたやつ、やりたがってたもんね。」

「アッキー、つかポンやめい。」

朋也は司の。
それぞれの勝者のいうことをなんでも聞く羽目に。
もちろん逆らいなんて許さない。
それがこの罰ゲームの究極なルールなのだ。



見上げる夜空

そうしてワイワイ盛り上がっていた皆から一人離れた比路。
自分の部屋へ先に戻っていた最中、階段の大きな窓から夜空を見上げていた。

「・・・・・・・・・。」

月明かりの小さな光はとても美しく、とても綺麗で、どこか哀愁を漂わす。
今この目で見ているものは、自分の家で見ていたのと同じもの。
なのに違う景色のように感じて、彼の心をまるごと奪っていく。

『今日も授業、楽しかったよ』

『来週にはテストの結果でるよ』

『僕もだけど司が赤点取ってないか不安だな』

『さっそくゲームで皆と遊んでたよ』

それは比路のスマホ画面に映る比路のメッセージ。
相手はもちろん比路パパ。
けど、このメッセージだけはどうしても送れないのか。

『だから寂しくないよ』

比路からの送信がそこで止まってしまっていた。









それから就寝時間が過ぎて、皆が寝静まった草木も眠る丑三つの時刻。
青ノ葉学生寮 一年生が使ってる階の男子トイレ個室にて。
一人部屋から抜け出してそこに篭り、殺した声で静かに啜り泣く音が小さく響いていたのでした。



青ノ葉 第38話をお読みいただきありがとうございます

ブルーリーフに朋也が改めて加入
候補として恭が参戦
梅ちゃんも初心者の殻抜けさせました
もっと賑やかになれたらいいなぁ・・・


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