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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#38 青ノ葉 思懐郷(2)(3/4)
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梅ちゃんと恭

「盾が初心者だとちょっと怖いから、つかポンともぴょん。キョンのフォロー頼んだよ。」

「だから、つかポンやめい。」
「だから、ともぴょんは・・・。」
「だから、キョンはやめろよ。」

難易度が普通とはいえ、一つの油断が命取り。
だから今日初めてやる恭に、参加メンバー全員で操作を色々教えながら奥へ奥へと進んで行く。

「でも梅ちゃんのおかげで進みやすいね。」

「痺れ弾と毒弾も持ってきましたから。状態異常なら任せて下さい!」

「おう。しっかり頼りにさせてもらうぜ!梅ー・・・、梅ー・・・?」

参加メンバーの中で改めて顔合わせとなった梅ちゃんと恭。
ここらで改めて名を交わし合う。

「そういえばボク、まだ恭くんに自己紹介まだでしたね。初めまして、梅谷っていいます。梅谷 瑞希です。よろしくお願いいたします。」

「初めて聞く名だな。オレは澤村 恭だ。よろしくな!」



駄弁りながらやるゲームも至極

その間も探索中なことには変わりない。

「あれ?けど、暫く稚空たちといなかったよな?喧嘩でもしてたのか?」

「違いますよ、全然違います。ボク、体が弱くて大事な時期に限って体調が崩れやすいんです。おかげでテスト前日で風邪を引いて高熱出ちゃって、皆さんに移すわけにはいかないので医務室で暫くの間お休みしてまして・・・。」

「おかげで暫く梅ちゃんと会うこと出来なくて寂しかったよ。」

「なるほど、な。」

けれど初心者であった梅ちゃんが慣れたおかげもあり、ダンジョン攻略が進めやすい。
なので雑談しながらのプレイも余裕のよっちゃんレベル。

「で?なんで『梅ちゃん』?司が付けたのか?」

「単純に梅ちゃんの名字が梅谷だからだよ。そして梅ちゃんって名付けたの俺じゃなくてアッキー!」

「な、なんだって!?めちゃくちゃマトモな呼び方出来るじゃねえか。オレもそういうのにしてくれ。」

「却下。オレだってちゃんと親しみを込めて『キョン』って呼んでるんだから却下に決まってるでしょキョン。変更不可なので諦めて下さい。」

「うがー!だからキョンはやめてくれー!」

おかげでサクサクと、どんどんどんどん進んで行く。



恭の梅公呼びが作者の中で
しっくりしすぎて変更できない

「ってことは、梅公のがオレより先輩なんだな。分からなくなったらフォロー頼むぜ。」

「梅公って・・・。そこは普通に梅ちゃんでいいじゃない。そんな犬みたいに呼ばなくても。」

「司たちはいいけど、オレが『ちゃん』付けして呼ぶのは変だろ。合わないっていうか、鳥肌立って寒気がする・・・。」

「ボクは何でもいいですよ。恭くんのお好きなように呼んでください。」

「ほらみろ、さすが梅公!オレのことちゃんと分かってくれてる。」

そんなわけで最下層にいたボスもサクッとあっさりクリア。
あっという間にダンジョン攻略が完了。

「よし!それじゃあ余った時間で対戦しよっか。梅ちゃんも今回からもちろん組むからね。」

「え!?やっ、待って待って!ボク、やっと慣れたばっかりですし、対戦出来るほど戦力ありません!」

「大丈夫、ダイジョーブ。前にも言ったけどプレイヤー同士の対戦はレベル差なくなるし、今日はキョンがいるから梅ちゃんでもいけるって。」

「だから稚空、キョンやめろよ。」

そして余った時間で参加メンバー同士で対戦することに。



上級職同士と初心者同士の対戦

司と稚空の発案により、1vs1のプレイヤー同士の対戦がはじまりはじまり。
今日はメンバー的にも分けやすく、上級職の司vs朋也と初心者から脱皮した梅ちゃんvs初心者・恭で対戦相手を組み合わせた。

「森。メイン、そっちだったんだな。」

「リズちゃん、可愛いでしょ?俺の嫁だからあげないよー。」

「やるからには手加減しないからな梅公。」

「勝てる気がすごくしないです・・・。」

もちろん負けたら勝者の言うことをなんでもきくという罰ゲーム付き。
稚空の合図で2チームの対戦が始まった。



不参加のキミが気になる

「ひろピー。」

「!」

今回も不戦勝となった稚空。
2チームが対戦している一方で、スマホに夢中だった比路の元へ向かう。

「あ、あれ?アッキーは皆とやらないの?」

「うん。だからキョンと交代したら、オレとやろうよ?ひろピー。」

「こらー!稚空!キョンはやめろって!」

彼さえ参加すれば、これで余らず3チームの対戦が出来る。
だから稚空から申し込んだわけだが、比路は首を横に振ってしまう。

「今日はゲームいいや。ごめんねアッキー。・・・僕、先に部屋戻ってるから終わったら司にも伝えておいて。」

「・・・ぁ。」

そして大事そうにスマホを抱えたまま、皆から離れてこの遊戯室から一人先に出て行った。



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