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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#4 トラブルメーカーな彼ら(3/3)
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一服中断

「ま。今度はもっと邪魔が入られないようにするけどな。」

次なる計画を企むトラブルメーカーな犬飼。
何かを考える時の癖で、ポケットから煙草と100円ライターを取り出し、手慣れた手つきで一服しようとする。
もちろん彼はまだまだ未成年なので、本来なら吸ってはならないお年頃。
でもそんなことまでも気に構わず、ライターの小さな火を付けようとした、その時。

「おい。」

誰かに背中を、片足でど突かれたのだ。

「!」

いきなり何かと思い、振り向くとそこには、

「俺がいる領域で違反するとは、いい度胸だな犬飼。」

「げ!?」

「ひ、日暮寮長・・・!」

この青ノ葉学生寮を監督している日暮寮長が、ドーンと怖い顔して立ち構えていたのでした。



仕事の都合上

「お前の体がどうなろうが1ピコたりとも興味ねぇが。仕事の都合上、厳しくさせてもらおうか。」

「ピコって何だよ?」

未成年である犬飼の喫煙を厳しく取り締まる日暮寮長。

「それと前から言ってるだろ?どうしても吸いたかったら誰にも見つからないよう賢く吸えって。」

「日暮寮長。それ注意になってないっす。」

「桃地。この俺を呼ぶときは寮長様。様な様。ちゃんと様付けて呼べっていつも言ってるだろ。」

「誰もそんな風に呼ぶ奴いねぇよ。」

ビシッと言い聞かされるものの、日暮寮長も喫煙者。
彼も一応、指導者という立ち位置でありながらも、未成年が多くいるのに好きな場所で好きなように吸っている。
そんな姿を多く見かければ見かけるほど、犬飼にとってもなんだか納得できない説教だった。

「つーことで犬飼。今持ってた煙草とライター没収な。全部よこせ。」



ルールはルール

犬飼たちの不良軍団の間でも『一部の教員には逆らうな』というルールがある。
それは逆らうと、もっとヒドイ目に遭うので、自分たちが作って決めた決まり。
そしてその一部に日暮寮長の名も、きっちりくっきり刻めたためか、犬飼は舌打ちしながら従う。

「へぇー。俺と同じ銘柄吸ってたのか。被せてくんなや、気持ち悪い。」

「別にアンタに被せたわけじゃねぇから!!」

「まっ。ちょうど俺のが切れそうだったから助かったわ。悪いな犬飼。ありがとな犬飼。」

そして日暮寮長は自分が吸ってる煙草と一致したことに気付き、何の情緒もなく上着の内ポケットへ。

「おかげ様で買いに行く手間省けたわ。いやぁ、本当にありがたい♪」

「はァッ!?待て待て待てー!!!それ没収じゃねぇだろうが!!返せーーー!!!」

そんな彼の言動に、決まりを決めた張本人の犬飼でさえ、おとなしく引き下がれず、取り返そうと今さら抵抗したものの。

「煩い。ワンワン吠えんな。ここは俺の領域だ。次から犬飼だけ特別に厳しくしてやるからありがたく思えよ。」

「いい大人が煙草せびって来んじゃねぇ!!」

結局、日暮寮長式のルールで取り上げられてしまう。



やられたら、やり返す精神

自分の仕事場へ、ご機嫌に戻っていく日暮寮長。
それと比べて犬飼の機嫌は、さらに不機嫌に。

「ど、どんまいっす犬飼さん。」

不機嫌度マックスな犬飼に、触れるか触れないかのギリギリな距離で、そっと宥める桃地。

「あんにゃろ〜・・・。絶対、許さん。後で覚えてろよ・・・。」

「ああああ、犬飼さん!?日暮寮長に仕返し企むのはよくないっすよ!」

「うるせぇー!オレは、やられたらやり返さないと気が済まねぇんだよーーー!!!」

だが、そんなことで彼の怒りが静まるのなら誰も苦労しない。

「犬飼さん、どおどお・・・。」

それでも桃地は自分が八つ当たられているのにも関わらず。犬飼の怒りを冷静に受け止め、宥め続けたのであった。



青ノ葉 第四話をお読みいただきありがとうございます!

私が書く作品の主要キャラで最高齢を誇るチロ先生
年齢を詳しく明かすことは今後もないと思いますが、
軽く40は超えております(※お爺ちゃんではないです)
それを感じさせない童顔モンスター・チロ先生
某ジャンプ漫画の作者様的なイメージでございます・・・

青ノ葉のキャラ登場ラッシュが現在進行形で継続中
全員出てくるまで、まだまだかかります


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