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青 ノ 葉
男子高校生たちのお緩い物語
[男子校全寮制][日常系青春コメディ]



#36 朋也episodeEX(3/5)
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二人の言い分

司の言い分と朋也の言い分。

「いや、俺は森を嫌がったわけじゃなくて。俺が言いたかったのは、そういうことじゃなくて。」

「でも朋也としては俺ら朋也といないほうがいいんだろ?」

「まあ・・・。」

「じゃあやっぱり仕方ないじゃん。朋也が嫌なら俺は一人で先に行ってやってるって、困りながら。」

「待て待て待て。俺は森を嫌がったわけでもなく、森が困るなら・・・っ。ちょっとごめん、自分で何言ってるか分からなくなってきた。」

ループし始めて、混乱も招き始めてて、ごちゃごちゃ感が否めない。
ついさっきまであんなに真剣だったことも、ごちゃごちゃにされていく。

「だから朋也の好きにしろって。」

でもごちゃごちゃなのは朋也だけ?
司はそう言って、全てを朋也任せにしてるおかげで平然としている。



厄介な傷

さっきまで司が朋也に連れて行かれていたのに、置いて行かれたせいで、今度は朋也が先を歩く司の後を追っていた。

「なんだ?結局、一緒に来るじゃん。道変えた意味な!」

「・・・仕方ないだろ。森が困るのならダメだから。」

離したはずの距離はなくなっていき、朋也は司のために隣を歩く。
それでもまだ不安なので、もう一度、彼に問う。

「本当に、いいのか?」

「だーかーらー何回も言わせるなよ、面倒臭いな。俺も俺らも気にしないし気にしてない。もう朋也の好きにしろってば。」

心の傷は目に見えない分、とても繊細でとても厄介だ。
直ることも直すことも出来なくて、自分が絶えるまで付き合っていかなければならないモノだから。



朋也の幸せを作者は願う

「そうか。なら、一言言わせてほしい。」

「何を?」

そんなモノが彼の言葉で全て癒されるなんてナンセンス。あり得るわけがない。

「・・・次、面倒臭いって言ったら怒るからな。」

けど少しだけ。ほんの少しだけ、負っていたモノが軽くなったようななってないような、気のせいかもしれない不思議な感覚。
直ることのない傷が癒されるのに時間は長くかかるけれど、それが彼にとってきっかけの一つへ繋がっていくことを今は信じよう。

「え、気にしてたの?それ。だって朋也、面倒臭いじゃん。」

「だから言うなって。結構グサってくるから。」



今回で青ノ葉二周年!まだまだ続きます

その日の夜。
今日も司、比路、朋也、稚空の四人で食堂で晩御飯を食べ終えた直後のことだった。

「朋也。僕と勝負してみない?」

「は?」

食器を片付けてもないのに、いきなり比路が朋也に勝負を仕掛けてきたのだ。

「実はちょっと気になってたんだよね。僕と朋也、どっちが強いのかなーって。けど殴り合うのは流石に嫌だから、腕相撲とかやってみない?」

「一回だけなら。」

「おー。さすが朋也!ヒロとどっちが強いかな?」

っというわけで突発的ですが、比路vs朋也の始まり始まり。

「やるのはいいけど、ひろピーもともピョンも食器片付けてからにしてよ。」

「アッキー。ひろピーやめて。」
「・・・ともピョンはやめてくれって。」



比路vs朋也

「やるからには手加減しないからな峰岸。」

「うん。朋也こそ覚悟してね。僕こう見えても腕には自信あるから。」

司と稚空が二人の食器を片付けて、腕相撲のスペースを作る。
今日はちょうど四人用のテーブルを使っていたおかげもあり、ここでなら他の生徒にもあまり迷惑かけないだろう。

「審判は俺に任せて!掛け声はアッキーよろしく!」

「OK!じゃあいっくよー!」

武道経験者の比路と喧嘩っ早い朋也の腕相撲対決。
お互いにテーブルに肘つけて相手の腕を組み、準備を整える。

「レディー・・・、ゴー!!!」

そして見事、勝利を勝ち取ったのは・・・。



比路vs朋也 2

「・・・勝者、ヒロ!」

「やったー!」

「!?、!?、!?」

まさかの瞬殺で決着がついた二人の戦い。
勝負の比路はワーイワーイ喜んでいて、負けた朋也はこのオチに凄く驚いていた。
自分よりも背が低い奴に一瞬で負けるとは思ってもなかったのだろう。

「な・・・!?」

「だから言ったでしょ?僕、これでも腕には自信あるって。」

突発的に始まった比路と朋也の腕相撲は、こうして比路が見事に勝利を勝ち取ったのでした。

「ねー。本当、腕力委員長にならないことを俺ら祈ってるよ。」

「ねー。腕力で直ぐ片付けようとするもんね、ひろピー。」

「う、うるさいな。余計なお世話だってば。あとアッキー、ひろピーやめて。」



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